12月の7日の「しんぶん赤旗」電子版によれば、不破議長は十中総で、次のような発言を行った。
この問題で、他党の経験を見るとき、選挙制度の切り替えにあたって、そのもとでの選挙戦への取り組みに成功してきたところが、「二大政党」以外に、一つだけあるのです。公明党・創価学会です。
彼らの選挙戦のやり方は、謀略と反共主義に満ちた無法きわまるものです。しかし、中選挙区から比例代表・小選挙区への切り替えにたいする対応には、見るべきものがあります。
それは、ごく少数の小選挙区を例外として、全国的には小選挙区の選挙から撤退して、比例代表選挙一本にしぼる、そして、比例代表選挙で得票を増やして、それを議席増に結びつけるという目標を、中選挙区時代以上の迫力と執念をもって追求する、というやり方です。今度、神奈川で、知的障害者を不法に投票に動員したという事件を起こして、運動員が逮捕されましたが、事件を起こした選挙区は、小選挙区では公明党が自民党候補を推薦していた地域です。そこで、比例で公明党の一票をとるために、こういう不法行為まであえてする。これは、公明・学会が、比例の得票増にいかに力を入れているかを物語る一例です。
今度の選挙では、それにくわえて、小選挙区で推薦した自民党候補に、「比例は公明党へ」という運動を強要することまでやりだしました。それでともかく、総選挙の比例で八百万票台の得票をかちとるところまできたのです。
彼らの選挙活動の謀略性や不法性は、徹底的に批判し告発する必要がありますが、この選挙制度のもとで、比例代表選挙での得票増に中選挙区時代以上の執念で取り組んでいること自体は、私たちも「他山の石」とする必要があるものです。
この「他山の石」の実態は、「週刊新潮 12月11日号」に詳しい。逮捕例では、候補者に関しては、不幸にして、全く判断能力のない知的障害者の娘さんを学会員が三人がかりで不在者投票所に連れだして、「小選挙区は田中和徳(自民)、比例は公明党」という投票意思があるかのように偽装して、選管職員に代理投票させようとしたらしい。しかし、立ち会った選管関係者の目はごまかせず、投票偽造行為で摘発になった。「週刊新潮」によれば、娘さんの父親も学会員であるが、なによりも怒り心頭なのである。娘さんは、二ヶ所も不在投票所を連れ回されて、体力を消耗し、熱を出して寝込んでしまったそうです。公明党のホームページによれば、郵便投票制度の見直しで、一定の条件のもとで、代理投票を認めさせたと自賛していた。また、知的障害者の投票意思をどのように汲み取るかということが課題であることも承知している。しかし、今回の場合は、本人には全く判断能力がなかったというのが真実のようだ。それを付添い人と称して、投票所に連れ出し、投票を偽装させる。これは単に選挙違反の問題に止まらず、障害者への冒涜ではないだろうか。
確かに、公明党の選挙にかける執念はすざましい。しかし、それはほとんどすべて謀略性や不法性と表裏一体をなすものである。共産党は一体何を他山の石とするのであろうか。
宮本議長は中央委員会でかなり長い冒頭発言を行うのが常であった。かって、私がかって属していた支部の人は、これを「冒発」と略していた。発言内容に、幹部会にコントロールされない部分を読み取って、「暴発」とかけた洒落のようであった。今度の不破発言はそのような「冒頭発言」の形式ではなかったようだが、「暴発」と言えるのではないか。