「しんぶん赤旗」、10日のイラク自衛隊派兵反対,日比谷集会の様子の記事を読ん
だ。7000人もの大集会だったそうだ。全国各地でも大小無数の反戦集会が共産党の呼
びかけに応じて開かれているそうです。さすが日本共産党である。もっとやれ、もっ
とやれ。眠っている党員すべてをたたき起こせ。
党員であろうがなかろうが近年の日本の情勢が国内的には恐慌的大不況によるリス
トラ、首切、失業者の増大に苦しみほとんどの人々が怒りをこらえてきました。しか
も自衛隊をイラクの戦場に派兵するなどと一気に時代という時計の針をあの戦時中に
戻されようとしているのである。この国家の支配者に対して積もりに積もったと怒り
をどうすればよいのかわからなかったのです。
総選挙中にこの問題を中心にもっともっと訴えていれば日本共産党はこんな惨めな
敗北に陥らなかったでしょう。仮に同じ結果に終わっても充実感が残ったでしょう。
この戦争か平和かの問題で一点突破が可能だったのです。
しかし遅ればせながらもやっと、ほんとに今ごろになってやっと大衆運動に動き出
したのは世論が党員のすべての方々が自衛隊のイラク派兵を重要だといい始めたから
でしょう。イラク戦争のはじまる前に党は何をやっていたのだ。世界中で反戦の波
が2000万という人類史以来最大の規模で立ち上がっていたとき党はなにをしていたの
か。ロシア、ドイツ、フランスがアメリカとイギリスのイラク攻撃に反対していたこ
とに希望を託し、国連によるイラク査察という「刀狩り」を主張し、何もしなかった
のはどこの共産党だったのか。有事法に対しても国会の論戦に終始してお茶を濁し、
日本を戦時国家になってしまう状況にしたことを事実上容認したのはどこの国の共産
党なのか。
国会では赤嶺議員が米英軍のイラク占領支配を国連が統治するまで「是」とする代
表質問をしたが、不破氏の翌日の談話を読めば赤嶺氏は党の方針に忠実だっただけの
ことだと知って、さすがの私もぞっとしました。赤嶺氏は「舌足らず」でと市川氏が釈明したが、正直者に過ぎない。
だが日本共産党もイラク自衛隊派兵が閣議で決定される段階になってでも動き始め
たことを私は喜んでいる。この行動をもっと積み上げ、日本中の水滴を渓流に集め、
そして大河に結集させることは今なら可能です。そのようになれば、この間に自衛隊
は派兵されるが、戦闘すれば非難が本国で沸き立ち、イラク人を殺しても、自衛隊員
が殺されても国内の反戦の声は大きくなっていくでしょう。それは日本の政治すら変
えてしまうでしょう。だからあらゆる反戦をひとつに結集させていく。共産党のせく
とも捨てねばなりません。そのくらいの度量を持てば、世界の反戦に伍して戦えるで
しょう。そして60年安保が再現するのです。
だが日比谷7000人集会での志位委員長の演説は重要な点で欠けていると私は思った。
それは百年にわたるイスラム世界への帝国主義諸国の植民地支配の暴虐と蹂躙に抵
抗して戦う、ムスリムとイラク人民の偉大なる反植民地戦争にひとかけらの連帯もな
いということです。
「イラクをテロと暴力が横行する国にしてしまったのは一体誰か」(拍手)
不破氏は先の談話の中でもイラクの戦いを他国から入ったテロリストなどのせいに
しています。だがバグダッド陥落のころの自爆攻撃は非組織的で散発的なものであっ
たが、今では計画的組織的な反植民地戦争になりつつあることを否定できるのは日本
共産党指導部だけです。
強大な軍事力を持つアメリカ軍、イギリス軍、それにイタリア、スペイン、ポーラ
ンド、その他の国の侵略者を相手に貧相な武器しか持たないイラクの愛国者、ムスリ
ム達の徒手空拳の悲愴とも言える自爆攻撃をテロと暴力呼ばわりできる暴言と侮辱は
帝国主義者そのものの言葉ではないか。私がこの無差別テロに反対する大合唱の指揮
者は不破哲三氏と志井氏だったこといまさらながら知った次第である。不破氏、志井
氏および日本共産党中央委員会は被抑圧諸民族に対して、軽蔑し、敵視しているでは
ないか。このような反戦集会ですら平然と排外主義を訴える党の代表をなお共産主義
者といえるだろうか。
そして、国連第一主義を日本共産党は唱えイラクの復興、治安を国連に委譲させる
べきであるといっている。(そうすれば自衛隊は国連軍として大義名分が立つのか)イ
ラクの復興はイラク人がするといいながら、同時にそんな矛盾することを言うのであ
る。イラクの復興とは帝国主義にとって何なのか。石油施設と道路の復旧だけが帝国
主義ブルジョアジーのお望みである。イラク人がどんなに不自由しようと餓えて死の
うと資本にとってなんの関心もないのである。直ちに米英軍はイラクから撤退せよ。
帝国主義には人間の心はない。
「自衛隊を行かすな!米英軍は出て行け!」「イラクの人たちを救え!」これがス
ローガンである。
90年湾岸戦争、ユーゴ戦争、アフガニスタン戦争これらは国連多国籍軍によってな
されたものである。又湾岸戦争以来のイラクに対する経済制裁も国連によってなされ
てきたのである。この経済制裁を日本共産党が主張したのは当時の赤旗を読めばわか
る。そのためにあのアラブでは豊かな国であったイラクの人々がそれから10年間どれ
ほどに貧しさに耐えねばならなかったか。病院には薬すらなく住病人には入院はアウ
シュビッツだったのである。子供達は物をせびるのだった。最近イラクに行った人の
話では物や金をくれと子供達に取り巻かれ何もやらないで逃げると石を投げられたと
いう。想像力の鈍い人に説明しよう。もしも日本が経済封鎖されれば電気は消え、車
のガソリンもなく、電車も動かず、工場もストップするだろう。われわれの食卓の上
の食べ物の6割は輸入食物である。そるらがすべて消えてしまうのである。党はイラ
クの人々に対して原始時代に戻れと主張したのであった。いま北朝鮮が同じ状況に追
い詰められている。経済制裁とは長期にわたるホロコーストである。自分がその身に
なればわかる。
国連は帝国主義諸国の世界支配の道具である。国連主義をとること自体が排外主義
の証ではないか。国連は世界のブルジョアジーの結集した組織であり、世界の労働者
階級と被抑圧民族の正面の敵である。これまで国連がアメリカ帝国主義の世界支配の
道具であったが帝国主義間の対立の場になりかけている。表面化では凄まじい相当が
演じられてきたに違いない。そのいずれの帝国主義にも肩を持つことはできないはず
である。仏露独と米英日の対立は帝国主義のブロックの対立であり、第三次世界戦争
の根源になる。
しかしそれでもなお反戦集会に参加された党内外の人々にわたしはエールを送る。
すべての参加者が心の底から戦争に反対し、自衛隊のイラク派兵に憤激し、行動を起
こしてくれたことに希望をもつ。行動が新しいものを産む。大衆が党の誤りを正す。
すべての党員はカラスでも、九官鳥でも、オームでもない。党を街頭にまで引っ張り
出したのは、40万の地の塩だった。