2003年12月15日 日本共産党書記局長 市田忠義
イラクを占領している米英軍当局は、フセイン元大統領を拘束したことを発表し た。同大統領にたいする裁きは、国際世論の監視のもと、厳正に法にのっとっておこ なわれるべきである。
同時に、肝心なことは、これによって米英によるイラク侵略と軍事占領の無法性 がいささかも免罪されないことである。米英軍支援のための自衛隊派兵は、もっての ほかの暴挙である。
イラク問題の真の解決のためには、イラク国民の主権を早急に回復し、国連の枠組 みのもとで人道復興支援にきりかえ、米英軍が撤退することこそもとめられる。
これを読む限りでは、米英軍当局によるフセインの拘束は肯定的に評価しているこ
とがわかる。国際世論の監視と占領の無法性を免罪しなことが条件ではあるが。
「国連の枠組みのもとで人道復興支援にきりかえ、米英軍が撤退することこそもと
められる。」とあるから、国連の枠組みがまだできていない現段階では、米英による
占領は肯定されている。フセインの拘束は、その意味でも肯定されている。
米英占領軍によりフセインを拘束し、国際世論の監視に切り替えるという方向が示
されている。曖昧な言い方のため真意を汲み取ることは難しいが、少なくとも、米英
によるフセイン拘束は肯定されている。この戦争に何の大義もないのであれば、この
拘束自体が批判されるべきではないだろうか。フセイン拘束をもって米英の侵略を免
罪してはならないとは、苦しい弁明である。フセイ
ン拘束を歓迎する、と素直に喜んだほうがよいのではないか?