昨日、『さざ波通信』にメールで投稿した後、なにげにJCPウォッチの過去ログを見ていたら、ぶんぶんさんが「支持者だが党員ではない」と発言されているのを発見しました。失礼しました。どうやら私の早とちりだったようです。
そこで、昨日の投稿は、ぶんぶんさん個人に対してではなく、批判的意見を持っているにもかかわらず、それを内部だけにとどめている党員一般に対する意見ということにさせていただきます。
ここに投稿された二つの意見について思うところを述べさせていただきます。
まず、9日の「ぶんぶん」さんへ。ぶんぶんさんは、書いているところから察するところ、党内の方だとお見受けします。たしかに、JCP-WATCHでの議論には私も「おいおい」と思うことが多々あります。共産党への罵詈雑言を重ねたあげく、日共反革命弾劾!と言って終わりというパターンなどはその典型ですね。そして、反論できなくなると「出て行きやがれ!」と叫ぶ。このようなメンタリティは、はっきり言って、スターリニストの中の最悪の部類に属する人々と同じです。この種の書き込みを読んだ普通の党員は、「なるほど、共産党を攻撃する人はこんなにひどい考えの持ち主なのか」と思い、共産党の指導に少々問題を感じていても、それに甘んじるようになるでしょう。この種の「糾弾・粉砕」大好き人間は、その主観的意図に反して、共産党指導部を助ける結果になっています。
しかし、問題は、批判的意見を持っている党員自身にもあると思います。ぶんぶんさんは、「私は党に対して相当批判言うけど、外部に対しては断固擁護しています」と書いています。内と外との使い分けということですね。この心理よくわかります。私もかつてはそうでしたから。「党内の問題を党外に持ち出すべからず」という長年にわたる強固な戒律があまりにも党員の心を支配しているために、このような「使い分け」が普遍的になってしまったのです。
しかし、党員がこういう態度をとりつづけているかぎり、党外からは共産党は一枚岩に見えるし、「共産党が次々とこれまでと違う見解を出しているというのに、党内から批判の声はないのか。やっぱり共産党には、自主的にものごとを考える力のない党員しかいないんだな」と思われることでしょう。そして、党外では、共産党への批判といえば、「反革命日共粉砕!」といったたぐいの貧困な言語が横行することになります。
私たちは、党内であれ、党外であれ、共産党に対する不当な攻撃には党を擁護するとともに、指導部がおかしなことを言ったり、おかしなことをした場合には、党内であれ、党外であれ、率直に批判するべきなのではないですか。反共勢力に利用されるとか、指導部ににらまれるなどという考慮は、二次的な考慮なのではないですか。共産党指導部を批判する権利とともに義務を持っているのは、何よりも、私たち党員自身なのですから。この批判のイニシアチブを、党外の「反革命日共粉砕!」を叫ぶような人たちにゆだねていてはいけないのではないですか。
党員が指導部に無批判的に従っているのではないこと、指導部の誤りに対しただちに党内から強い批判の声が上がること、党内で活発な議論や論争が行なわれていることが党外からもよく見えること、党員自身が常に自主的・批判的に考え行動していること、こういう状態になればなるほど、ますます反共勢力のつけ込む隙がなくなるし、ますます共産党は強固な存在になるのではないでしょうか。
次に、HiroTさんへ。書いている内容から察するに、HiroTさんは党外の方だとお見受けします。その中で述べられている共産党批判は多くの点でもっともであると思います。しかし、いくつか異論があります。
まず、HiroTさんは、「共産党は、天皇制の存在を容認し、自衛隊の存続も認め、今度は『君が代・日の丸』の法制化の要求です」と言っています。これは、批判の仕方としては非常にずさんで不正確だと思います。
共産党は、党としてはまだ「天皇制の存在」も「自衛隊の存続」も認めていません。共産党が昨年、不破政権論なるものを出してきて、野党の暫定連合政権としては、天皇制の存続も自衛隊の存続も(ついでに安保の存続も!)認める、という立場を打ち出しました。誤解のないように言っておきますが、私は「暫定連合政権」でも、このような共産党の立場はおかしいと思いますが、いずれにしても、成立する見込みさえない「暫定連合政権」の一時的政策と、党自身の政策とをいっしょくたにするのは、批判の仕方として不正確であり、それでは党員の納得を得ることはできないでしょう。
また、党は「『君が代・日の丸』の法制化」など要求していません。先月、国旗・国歌の法制化を認めるという新見解を出しましたが、今でも日の丸・君が代の法制化には反対という立場です。前者の立場は必然的に後者の立場になる、というのならまだ論理的にはわかりますが、それならそのように言うべきであって、「今度は『君が代・日の丸』の法制化の要求です」という言い方では、納得を得られないでしょう。
HiroTさんはまた、「このような裏切りに反対するような健全な党員がまだ共産党の内部に存在したことに驚く」と書いています。党外の人がこのような感想を持たざるをえないのは、さきほど、ぶんぶんさんに書いたこととも関連しますが、党内での批判が党外からは見えないことに原因があるのでしょう。しかし、私の周囲を見渡してみても、『さざ波通信』で書かれているような批判は、それこそあふれています。『さざ波通信』の主張は特異なものでもなんでもなく、おそらく多くの党員が抱いた意見です。私も含め、多くの党員はこのことをいろいろな機会に中央や指導部に対して発言しています。問題はそれが党外からは見えないことです。たしかに、これは私を含め党員が反省すべき事柄です。
匿名で自分の意見を言えるインターネットという媒体が普及しつつある以上、指導部による処分が怖いという理由はもはや、党指導部を公然と批判しない理由にはならないでしょう。そして、『さざ波通信』のような発表の場が設定された以上、なおさら、党員は、自分の批判的意見を党外に対して秘匿する理由はないでしょう。このような条件がそろっているにもかかわらず、それでもなお、批判的意見を言うのをはばかるのだとしたら、その時には、遠慮なくその政治的臆病さが批判されてしかるべきでしょう。
思わず長々と書いてしまいました。ぶんぶんさんと HiroTさんに対し表現上失礼な点があったらお許しください。