1970年代、ピーター・シンガー氏らの提唱によって、「動物解放運動」や「動物の権利の向上を求める」運動が欧米各国を中心に広がり始めましたよね。日本共産党は、改訂された綱領の中で、基本的人権などとともに、地球環境・生態系環境の保護も取り上げていますが、「動物解放運動」や「動物の権利の向上を求める」運動などについては、どのようになっているのでしょうか。そろそろ、日本でも、政党が、「動物解放運動」や「動物の権利の向上を求める」運動の先頭に立つことを党の綱領に掲げてもいいはずなのに、これまでは、各政党が「動物解放運動」や「動物の権利の向上を求める」運動の中心に立つことが少なかったために、欧米各国とくらべると、日本では、このような運動は立ち遅れているように見受けられますが、これらの問題に関する日本共産党の立場を詳しく教えて下さいませんでしょうか。
これからは、基本的人権や環境権(地球環境・生態系環境の保護)ばかりではなく、動物の権利の向上(と、そのための動物解放運動)なども重要になるのではないかと思いますので、ぜひ、よろしくお願いいたします。
編集部からのコメント
日本共産党としては、「動物解放運動」、「動物の権利の向上」といった形では政策をとくに出しておりません(調べる余裕がなかったので申し訳ないのですが、『しんぶん赤旗』(日刊紙)の「日本共産党、知りたい聞きたい」という欄で以前扱われた気もします)。基本的には動物虐待等には反対する立場であることは間違いありません。「動物解放運動」という言い方が妥当かどうか議論の余地があるとは思いますが、人間のみならず、動物の「権利」についても、今後、十分な検討と尊重が求められるでしょう。不必要な動物実験の禁止、ペットをはじめとする動物虐待への処罰規定、不必要な狩猟に対する規制、先進国での毛皮製品の規制、動物の生活圏の保護、などの諸政策は当然、護憲・革新政党として必要になると思います。
「真留久酢」さんの言われるように日本では、人間の経済活動の対象とされる動物および自然の権利としての「動物権」や「自然権」はまだ広く市民権を得るところまで至っていません。ピーター・シンガー氏らの主張の妥当性については議論の余地がありますが、日本共産党をはじめとする革新・左翼勢力こそが日本において「動物権」・「自然権」を擁護した運動を推進する主体となるべきであると私は考えています。このような現状ですから、「真留久酢」さんの問題意識なり提言なりをぜひ『さざ波通信』でも日本共産党中央委員会にでもお寄せいただければと思います。
関連団体のリンクや文献紹介などがまとまったサイトとして、大阪大学法学部の研究者のHPがあります(蛇足)。