「れんだいじ」さん、はじめまして。党員からの「反応がない」という、「れんだいじさん」のお怒りを受けまして、レスさせていただきます。もっとも、私はすでに何度も投稿しているので、むしろこれまで投稿されていない党員の方からの反応が私もほしいのですが、「れんだいじ」さんも嘆いておられるように、多くの党員はなかなか議論に参加しようとしません。やはり、誤った「規律」の観念(「党外で党を批判的に論じてはならない」)のなせるわざでしょう。道のりは遠い、と改めて実感しております。
さて、「れんだいじ」さんの投稿についてですが、すべてにわたって議論するのもたいへんですから、三つ目の投稿の内容についてのみ反論させていただきます。
まず一つ目、共産党指導部が責任をとらない、という点について。おっしゃるように、共産党という組織においては、日本にかぎらず、ごく最近まで、最高指導者が、死ぬか老衰で政治的に指導できなくなるまで、その地位に居座りつづけるという悪習が続いていきました(例外はブレジネフ)。選挙で後退しようが、政治的失態を犯そうが、原則を大きく逸脱しようが、最高指導者は、最高指導者であるというただそれだけの理由で、けっして責任をとることはありませんでした。もっとも、こうした現象は、IOCのサマランチを見てもわかるように、必ずしも共産党だけにかぎった問題ではありませんが。
したがって、この無責任性を厳しく批判し、それを問題にするというスタンスは、私も全面的に賛成するところです。かつての伊里伊智氏もこのことを主として問題にしていました。私は彼の主張の多くに賛成できませんでしたが、そのごく初歩的な民主主義的要求を明確に打ち出し、それを公然と訴えたことは、その政治的勇気ともども、しっかり記憶されてしかるべき業績です。
以上の重要な同意点にもかかわらず、私が「れんだいじ」さんの意見に違和感を覚えるのは、共産党の責任問題が主として選挙結果から生じるものであるかのように書かれていることです。もちろん、選挙での後退は重要な問題であり、当然、指導部の責任も問われてきます。しかし、それでもはやり、選挙での前進や後退は、共産党という組織の性格上、二次的であって、責任問題が問われるべきは、より本質的な政治問題ではないかと思います。
たとえば、選挙の結果だけを見るなら、現在、共産党は議席を伸ばしつづけており、指導部の責任は問われないことになります。しかし、私は、選挙でまるで前進していなかった(むしろ後退していた)90~94年よりも、大いに前進している現在のほうが、指導部の政治的責任ははるかに重大で深刻だと思います。指導部が選挙での敗北の言い訳として、自分たちに責任のないあれこれの要因を持ち出すことはたしかに問題ですが、しかし、それでも、選挙の結果は指導部の政治的指導能力だけによって決定されるわけではありません。92~94年当時、社会全体が急速に右傾化し、「政治改革」の名のもと、帝国主義的な改革が推進されました。このとき共産党は、選挙での停滞や後退にもかかわらず、基本的陣地を保持し、ニセ「政治改革」にきっぱり反対し、護憲と革新の原則を守りました。このときのがんばりが、結局、その後の躍進の原動力となったのです。
逆に、経済的バブルと軌を一にして89~90年に政治的バブルで議席を急膨張させた社会党は、あまりの議席の増大に我を失い、護憲政党の原則を投げ捨て、政権参加に突っ走り、帝国主義的「政治改革」に加担し、その結果、この92~94年の時期に完全に崩壊しました。今や、社会党の後継政党である社会民主党は、かつての共産党よりも少ない議席に激減しています。
しかしながら、95年以降躍進するようになった共産党は、かつての社会党と同じく、しだいに我を失いつつあり、護憲と革新の原則を、ここかしこで蹂躙しつつあります。去年の政権論しかり、「日の丸・君が代」新見解しかり、不審船事件での対応しかり、『新日本共産党宣言』での解釈改憲しかり、です。むしろ、今こそ指導部の政治的責任が問われるべきです。さもないと、選挙結果においても、かつての社会党の二の舞になりかねません。しかも、かつての社会党の場合には、まだ共産党という受け皿がありましたが、もし共産党までもが社会党の二の舞になったなら、もはやそれに代わる政治的受け皿は存在しませんので、日本の変革の事業は何十年も後戻りさせられることになるでしょう。それだけは絶対に避けなくてはなりません。
だからこそ、指導部の政治責任を選挙結果に直結させるのではなく、より本質的な政治問題における指導部の立場や誤りをこそ問題にし、その誤りを理由に責任を追及するべきなのです。選挙結果による大敗北という致命的な結果が出てから責任を追及しているようでは遅いのです。しかも、一度崩壊のレールに乗ってしまえば、たとえ指導部を変えたとしても、そう簡単にはその流れを押しとどめることはできないでしょう。
私はこのように思いますが、「れんだいじ」さん、それに他の多くの読者ないし党員の皆さんはどう思われますか?
他にも反論したい点はありますが、量が多くなったので、残りは日を改めて投稿します。