「さつき」さん、ご投稿ありがとうございます。取り急ぎ、「防衛上の問題」についてお返事させていただきます。この問題については、他の方からメールでもご質問いただいています。今回これらの質問や危惧をお聞きして、編集部として投稿規定に最低限の注意書きが必要ではないかと考えました。それは、すでに投稿規定に反映させました。まずは、ご意見に感謝しますとともに、現時点での編集部の見解をお知らせいたします。文責は、インターネットのサーバ管理などの経験をもつ「K・S」です。
先に結論を言わせていただきますと、『さざ波通信』(以下「さざ波」)のやっていることは中央委員会とまったく同じことですから、「さざ波」として特に「防衛上の問題」があるとは考えられませんし、ましてそれが討論に参加しない理由にはなりえないと思います。
●公安に監視されているというご指摘について
「さざ波」はインターネット上で公開しているのですから当然ながら、ページの内容は誰にでも見ることができます。したがって、公安が共産党をはじめとする左翼団体および市民運動団体の機関紙誌やHPをチェックしているのと同様に、「さざ波」もチェックされていることは充分考えられることです。これは誰しも認めるところだと思いますから、「さつき」さんが危惧されている点は、おそらくEメール(以下、メール)の監視ということだと思います。
●公的権力による「さざ波」着発信のメール盗み読みはどうか
「さざ波」のアドレスの着発信のメールを盗み読みするには、「さざ波」が加入しているプロバイダのメールサーバーに何らかの形でのアクセスが不可欠です。方法としては主として、プロバイダの手をわずらわせてデータを保管・提出させるか、盗み読みのためのプログラムを不正に仕掛けるか、のどちらかでしょう。少なくとも現在のところは、公的権力によるそのような盗み読み行為は正当化されていませんから、いずれの場合も、それを許してしまえばプロバイダとしては自殺行為となりますし、現時点ではあまり考えられません。それに公的権力にとっては「さざ波」よりも中央委員会の方を監視する方がよっぽどためになるのではないでしょうか。
●読者や党そのものを危険に巻き込んでいるというご意見について
もし「さざ波」に防衛上の危険があるとすれば、「さざ波」と同じようにメールアドレスを公開している日本共産党中央や各種労働団体、運動団体はどうでしょうか? 共産党より左とみられる政治団体でもHPを立ちあげています。それらはみな、読者に危険をもたらしているのでしょうか? もし危険をもたらしているのだとしたら、公的権力の標的になりやすいという点では、「さざ波」よりも中央委員会がHPを立ちあげることの方が問題は大きいといえます。
日本共産党中央委員会は、独自のドメイン(JCP.OR.JP)を取得しているから防衛上の配慮を払っている、もしくは防衛上の危険性は少ないのではないか、と思われるかもしれません。しかし、それは誤っています。基本的なUNIXコマンドを一つ使うだけで、中央委員会のHPやメールがINFOWEBというプロバイダが持っているサーバーを利用していることがわかります。中央委員会は、インターネットの利用についての防衛上の指針を提示してもいません。したがって、「さざ波」が防衛上の問題において、中央委員会から「おしかり」を受ける理由などどこにもないのです。
●インターネットの秘密保持能力はどこまで信用できるか
もちろん、インターネットの世界ではすべてドメインやIPアドレスによって管理されていますから、郵便システムと同様に完全な秘密保持はありえません。すべてを疑ってかかれば、おおよそどのような活動・運動も成り立たないこともはっきりしています。
しかし、特に労働者として、これだけは気をつけなければならないということはあります。それは、LAN上では特殊な技術がなくても誰にでも盗み読みが可能だということです。つまり、職場などのネットワークで一括してインターネットに結ばれている場合、職場のパソコンでやりとりされるメールは、サーバーの管理者でなくてもネットワーク上のパソコンから簡単に盗み読みができるのです。さらに会社や職場で独自にサーバーを立てている場合は、メールの内容はすべて管理者に筒抜けですから、それらは経営者側に報告されていると思わなければなりません。
メールの内容やアクセスログなどを根拠にして、勤務時間中にインターネットを私用で使っているとの理由で労働者を解雇する事例は、インターネット先進国アメリカだけでなく、日本でも実際に行われていることです。したがって、職場ではメールを私用で使うことは極めて危険です。
そういうことですから、「さざ波」へ投稿される場合は、自宅からのアクセスが安全です。クラッキングによるメールアドレスの漏洩を心配されるならば、HPの「投稿フォーム」をご使用になれば漏洩することはありません。
他にも、「こんなことに気をつけなければいけない」とか「こんな危険もある」というご意見もあるかと思いますが、それらは編集部としても今後の研究課題して追究しようと考えています。読者のみなさんからのご意見をお待ちしています。