私は福祉事務所で働く生活保護のケースワーカーです。貴党に関心があり、インターネットで時々「赤旗」を読んでいます。(党員ではありません。熱心な支持者でもありません。スミマセン)
6/19「赤旗」の「知りたい聞きたい」の次の部分ですが
ホームレスを急増させた背景に、劣悪な生活保護行政の実態があります。八〇年代からの「適正化」の名による極端な締めつけで、「健康で文化的な最低限度の生活を保障する」(憲法第二五条)という、生活保護の本来の役割が機能せず、やむをえずホームレスになる人も少なくありません。ホームレスになれば、住民票がない者や、働く能力があるとみなされた者は、現実に仕事がなくても保護の対象外にされているのが現状です。
この趣旨はまったくその通りですが、一部気になる表現が...
「住民票がない者や」というのは、事実ではありません。生活保護の実施に住民票の有無は無関係です。
これは、現場で働いているものとしては、常識です。ホームレスだけ、住民票が要件にされているという事実はありません。
ホームレスが保護の対象外とされているのは、住民票がないからではなく、まさに住居がないからです。住民票があってもなくても、ホームレスであれば扱いに差異はないはずです。もし、住民票の有無で保護の扱いに差異を付けている事例があるのなら、教えていただけませんでしょうか?
「無差別平等の原則」をうたっている生活保護が、「住居すらない」というまさに困窮の極みに置かれている人々を保護から排除している、という実態は確かにあります。ホームレスの人が、仕事がなく福祉事務所に相談に来ても、「住居がないのなら保護できない」「入院するまで保護できない」などという応対がされがちです。
私が勤務する福祉事務所では、貴党の党員が面接担当をしていますが、その人ですら、「建設作業員寮に暮らしているが仕事が減り生活できなくなった」と相談に来ている人に対して、「40代の男性なら入院しないかぎり保護できない」と説明して追い返した事例があります。ホームレスでなくても、「飯場」「作業員寮」「知人宅寄宿」「簡易宿舎(ドヤ)」「他人名義のアパート」など、不安定な住居に住むことを余儀なくされている人々に対して「住居とは認められない」などという難癖をつけて、保護申請を受け付けない傾向もあるのです。
さらに最近は、住居のあるなしに関わらず、「稼働年齢層」(60才以下の人)の人が申請に来ても「検診命令」を打って、「稼働能力あり」という判定が出れば、現実に仕事がなくても申請を受け付けないという違法な「窓口規制」がはびこっています。
さらに問題なのは、貴党の党員をはじめ労働組合の組合員など、本来住民の利益を守る側に立つべき人々が、こうした違法な「行政慣行」を黙認し、場合によっては、申請が少ない方が仕事が楽として「窓口規制」を歓迎してしまうことがあるということです。
もちろんこうしたことが起こるのは、国の「適正化」攻撃や、自治体の人事政策によるところが大きいと思いますが、なんでも「国が悪い」と言って自分でできることを放棄してしまってはいけないと私は思っています。
今後、「赤旗」などで全国の生活保護行政の実態を暴露し、「適正化」反対の大々的なキャンペーンをくりひろげていただければ、と願っています。
では、
ps.
貴党のホームページに『「さざ波通信」なるものは、わが党といっさい関係がありません』と出ていましたが、「さざ波通信」は「現役の共産党員」が自主的に開設したホームページで、党員の討論欄も、充実してきていますし、なによりも日本共産党についての討論(批判的なことが多いですが)が毎日のように行われているように私には見えます。私は結構「お気に入り」でよく読みに行っていますが...
なるほど、党の機関が開設したホームページではないでしょうし(そんなことは読めばだれでもわかりますが)「いっさい無関係」ではないでしょう(党員ですよ)。どういう意味でわざわざ党中央のホームページで断りを入れているのですか? 党員が自主的に開設しているホームページのひとつひとつについてわざわざ「無関係」と断ってはいないでしょう?
「いっさい無関係」とは「党員でもないものが党員を詐称して開設している」ということでしょうか? それとも、党中央に批判的な党員や意見は「わが党とは無関係」で、不良党員のやることして切り捨てているということでしょうか? どうも、後者のような気がしますが...。
私が貴党に関心を持ち、政策の多くに共感しつつも、いまひとつ支持できないのはそういう党の姿勢です。(党外の意見として聞いておいてください)。