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党と外部との関係についての質問

1999/9/27 N.K.、30代、教員

 『さざなみ通信』及び、その「読者」のみなさん。次のようなことについてどのようにお考えですか。

①共産党とは独立しているはずの社会的団体・組織の資産・資財等を、共産党の活動のために(秘密裏に)使用することの適否。
 私が知っている70~80年代の共産党では、「民主的な」(!?)学生自治会・生協・労働組合の印刷機・電話などを党員が利用して、ビラ印刷、「支持拡大」などの活動を行う例を経験し、かなり見聞きしましたが、そのようなことはもうないのでしょうか。
②共産党とは独立してある団体・組織の方針・人事など[の案]を、共産党組織が決定して、その影響力によって事実上、事前決定されてしまう事態の適否。
③[②のバリエーションですが]共産党員であることによって(非公然に)社会的組織や団体で優遇されたり選ばれたりすることの適否。
 たとえば、公募の採用試験に対して共産党員や支持者に事前に有利な情報を伝授するとか、決定権者に(内密に)推薦するなど。「党が新卒の党員を採ろうとするのは当然だ」との言を聞かされたことがあります。
また、大衆団体や非営利的な労働・生産組織で、民主的な選挙が実施されている場合が多々ありますが、党(員)が大きな影響力を発揮したり、対抗集団を生み出したり、などよくあることですが、ほとんどの場合、どのような責任においてなされているのか不明です。
④非共産党員を党に対する態度でランク付けすることの適否。
 「支持拡大」をするときに非共産党員=「大衆」は、党に対する支持・不支持などで区分けされていると思います。今はデジタル情報化して、集積すれば簡単に膨大な「思想調査」データを共産党がもてると思いますが、そんなことはしていませんか。
⑤共産党に対する批判者等のリストアップの危険性について。
[④のバリエーションですが]党の上級機関には、全国の「反共・反党分子」のリストがあるようですが、そうしたリストが、③と逆の方向で利用される危険があると思いますがどうでしょうか。

 「日本共産党が日本国を指導する政党である」などと書かれていない日本国憲法体制下では、上記の文章では( )を付して表現したように、公然とは国民の前で行われていないです。
 議員・首長等の選挙や国政・地方政治に関する、公的な活動については、法的規制やメディアによるチェックがあり、外部の人間もその活動や方針を知り、判断できます。しかし、その他の社会領域ではどうでしょうか。
 国家権力を握らなくても職場・地域で共産党がどのように社会的活動を行うか、社会的権力にアクセスしたり形成したりするかは、多くの人の生活に影響します。上記の①は多くの方が「よくないこと」と判断されると思いますが、その他に関して、ルールが確立されず、説明責任がはたされていない行動や事態がありましょう。
 本来なら具体的状況や次元に即して考えなければならないのでしょうが、そうした議論自体が困難です。だいたい、多くの人々は周囲の共産党[員・支部]と職場や地域で公的に議論する手段をもっていません。それは、共産党だけの問題ではありません。他の組織政党・宗教団体等をめぐっても同じことがいえます。民主主義的な原則やルール、リベラルな精神や姿勢についての必要な議論がほとんどされない、私たちの社会生活自体の問題でもあると思います。
 「分派禁止」とか、「党内での意見の違いを外部で公然と議論するな」などの全体主義は、完全に内部だけのことで、一般の社会に影響を及ぼさずに、自由に結社しているのみの趣味サークルなら問題ないです。しかし、大衆的巨大組織政党はそうではないですね。
 以上について、共産党の明確かつ具体的な方針が提示されているのに、私の無知故に見当はずれなことを言っているなら、ご指摘いただくと幸いです。また、共産党が議員政党に純化し、大衆運動の自立性を完全に保障していくという方向が必然的であるとすれば、また違った観点が必要なのかもしれません。