編集部からのコメントがありましたので、一部「訂正」を含めて再度意見を述べさせていただきます。
編集部の座談会が「号外」ではなく、通常号で発表されたことについては私の単なる間違いでした。訂正します。また、その座談会に特別大きな意味を持たせるつもりで書いたのでもありません。たまたま、その座談会と「地方議員」さん、蟹瀬さん(専従)の投稿の時期が一致したので書いただけのことです。そのことは、その後の文章において、座談会の内容に言及していないことからもおわかりいただけるのではないかと思います。もし、誤解があるようでしたら、削除してもかまいません。
蟹瀬さん(専従)の投稿について何点か確認します。1.その投稿で書かれていることは、党が正式に発表していない、党外の人には知り得ることのできない問題である。2.投稿で問題にされた民青同盟幹部は共産党員であり、党の調査を拒否した。3.そういう人物を専従とした党と民青の責任を問題にしている。
編集部のコメント(回答)では、「私たち自身が執筆責任者である文書において」のみ、そのルールが適用されるのであって、投稿された文書については、別のルールがあるといっています。つまり、自分達は党内の秘密を公表しないが、投稿された文章ではかまわないということになります。そういう解釈が成り立つなら、党内の秘密を公表しないというルールはまったく意味を持たなくなります。さざ波編集部が(ルール上)責任を負うのは、自分達が直接書いた文章だけではなく、そこに投稿された文章も含まれるべきです。
また、蟹瀬さんの投稿が「内容的にいって信憑性が高い」とありますが、その判断の根拠は何でしょうか? そう判断されるには、さざ波編集部がそれなりの根拠を持っていなければなりませんよね(自分達もその事実を知っているとか)。もし、そうだとしたら、投稿された文書で公表されたという形はとっているとしても、さざ波編集部もその行為(党内の秘密を公表する)に関与しているといわれても仕方がありません。
また、「直接的には民青同盟内の問題を取り上げており、党内の問題ではありません」と言いますが、それは無理があるのではないでしょうか。他の大衆団体とは違い、党の指導を受ける民青同盟内の幹部=党員が問題を起こし、党の調査を拒否したという事態がどうして党内の問題ではないのか? そんなことを言えば「新日和見主義」(少なくても民青同盟内の)問題は党の問題にならなくなってしまうでしょう。蟹瀬さん自身が党の責任を言ってるではありませんか。
編集部からのコメント
ご指摘の点についてのみお答えします。まず、『さざ波通信』の執筆の基準を投稿規定にもあてはめるべきだという意見については、一つの意見としてありうると思います。もちろん、投稿の中に、具体的な支部名や非公然の党員を特定しうる形で党内の事柄に関する具体的な叙述がある場合には、そのような投稿は掲載しないか、あるいは、叙述をぼかすような形で修正して掲載するでしょう。したがって、「党内問題を党外に持ち出さない」という基準は、けっして投稿規定とも無関係ではありません。問題は、何を「党内問題」とみなすかです。
たとえば、不破委員長は、最近、CSニュースターや党創立記念講演などで、狛江市長選挙の立候補者の選定をめぐって狛江市の党組織と中央との間で意見の相違があり、激論を交わした末、狛江市党組織の意見を採用したという話を持ち出していますね。これは、党外の人には知ることのできない「党内問題を党外に持ち出す」ことではないでしょうか? 「党内問題」というのを広くとるなら、不破委員長は、規約に違反したことになります。まさか、あの規約は下部党員にだけ適用されて、中央幹部には適用されない、とおっしゃるわけではないですよね。あるいは、あの事実の公表は、常任幹部会での正式な決定にもとづくものだとおっしゃるかもしれませんが、そんな決定などどこにも存在しないし、少なくともそのような決定はどこにも発表されていません(党内で発表されないような中央決定は、民主集中制の組織原則からして無効です)。明らかに、あの話は不破委員長の個人の判断でマスコミに語られたのです。
規約では、「党内問題」とだけ書かれており、何が具体的に「党内問題」なのかについては何も定義していません。したがって、それを広くとれば、不破委員長をはじめ党幹部の発言の多くの部分や、『しんぶん赤旗』の多くの記事は、規約違反になります。狭くとるなら、狛江市の党組織と中央とで意見が異なり、激論を交わしたという話を公表してもいいことになります。
これまでの適用事例を検討するなら、党中央にとって都合の悪い事実は「党内問題」とみなされて、それを公表した党員は処罰され、そうでない問題は、厳密に考えれば「党内問題」であるような諸事実を公表しても処罰されないという事態になっています。つまり、あの規約条項はきわめてご都合主義的に解釈され運用されているのです。正確な規約運用を考えるなら、当然、党外に持ち出してはならない「党内問題」とは具体的に何であるのかを定義しなければならなかったはずです。しかし、規約制定以来、数十年が経ち、それまで何度も規約改正がなされたにもかかわらず、この「党内問題」については定義されたことがありません。その理由ははっきりしており、何が「党内問題」であるかを不明にしたまま、中央にとって都合の悪いあらゆることに関して一般党員の口を封じるためです。
このような状況下において、結局のところ、各党員は、自らの責任において、外に持ち出すべきではない「党内問題」とは何であるのかを判断して行動することが求められます。したがって、『さざ波通信』の各号および号外の中身については、私たち自身が理解する「党内問題」の解釈にそって叙述が行なわれ、投稿者の各々の責任において投稿されるそれぞれの投稿については、投稿者のそれぞれの解釈にそって叙述が行なわれます。
しかし、どんなに「党内問題」を狭くとったとしても、具体的な支部名や非公然の党員が特定されるような具体的な記述は、党外に持ち出すべきではない「党内問題」になると思われますで、すでに述べたように、そのような投稿は掲載を見合わされるか、叙述がぼかされるでしょう。しかし、それ以上の厳密な線を各投稿に対して引くことはできません。そんなことをすれば、生き生きとした討論を事実上なくしてしまうことになるからです。
次に、蟹瀬さんの投稿の信憑性についてですが、げじげじさんは、私たちが「内容的にいって信憑性が高い」とみなしたかのように書いていますが、これは引用として不正確です。私たちが書いたのは「内容にいってい信憑性があり」ということだけです。「高い」かどうかまではわかりません。
「いってい信憑性がある」と判断したのは、共産党のこれまでの行動様式において、過去に同じようなパターンがあったこと(党内ないし民青内の性的不祥事をきっかけに、道徳的引き締めを目的としたキャンペーンが行なわれたこと)、そして何よりも、蟹瀬さんの文章に、謀略やデマを感じさせるようなものが何もなかったことです。前回の「コメント」で書いたように、蟹瀬さんの文章は、党と民青の発展を望む立場から書かれており、そこには誠実さが感じられました。結局のところ、匿名の投稿については、そういう内容および表現を手がかりに判断するしかありません。そのような判断は危険だと言うかもしれませんが、同じような判断にもとづいて、げじげじさんの投稿も掲載しているわけです。
蟹瀬さんの文章が直接には民青同盟内部の問題を取り上げているという点については、事実その通りだから、そのように書きました。ただし、おっしゃるように、党と無関係であるという意味ではありません。民青同盟の人事が事実上、党によって決定されており、また不祥事を起こした民青同盟員が党員でもあったようですので(これも蟹瀬さんの文章より判断するしかないことですが)、もちろん、党とも関係しています。党の調査を逃げたという叙述が事実とすれば、この部分に関しては「党内問題」と解釈することは可能でしょう。
しかしながら、それがはたして規約で言う「党外に持ち出してはならない党内問題」なのかどうかは、判断のわかれるところです。その不祥事を起こした党員は特定されていないし、特定可能な具体的記述もありません。また、この事件のことは党外に漏らしてはならないという党内通達が各支部に来た事実もありません。さらに、投稿内容から察するに、この事件は、民青幹部が誰かの性的人権を侵害したものであると推測されます。周知のように、人権問題は党内問題として隠蔽すべき性質のものではありません。
そして、前回のコメントでも述べたように、蟹瀬さんの投稿は、本サイトの投稿基準の範囲内にありました。以上のような総合的判断にもとづいて、蟹瀬さんの投稿は掲載されています。もちろん、掲載するべきではないという意見もありえますので、そのような意見を展開されているげじげじさんの投稿も掲載しています。
なお、以上の点に関わって、ここで編集部として反省しておきたいことがあります。それは、蟹瀬さんの投稿を掲載するにあたって、<編集部コメント>として、この投稿を掲載するという判断を下した理由について簡単にでも説明しておくべきでした。今後は、「党内問題」とのからみで議論になりそうな投稿については、掲載を見送った場合も、掲載する場合も、あるいは、修正して掲載した場合も、編集部として簡単にでも理由を説明しておくのが、適切であると考えます。