(1)投稿掲載基準の変化
蟹瀬さん(専従)の投稿に関して、『さざ波通信』の投稿掲載基準についての説明が明らかに変化しています。9月10日の私の投稿に対する編集部のコメントでは次のように述べられています。
「党外の人の知ることのできない党内の秘密を暴露しない」という基準は、『さざ波通信』の各号および号外など、私たち自身が執筆責任者である文書においてです。投稿に関しては、「このホームページについて」に、別の規定を設けています。念のため、以下に引用しておきます。・・・「投稿は基本的にすべて掲載いたします。ただし、特定の個人ないし団体に対する誹謗中傷、個人の秘密を暴露するもの、事実の歪曲が明白なもの、差別的表現の著しいもの、投稿者に対する人格攻撃などは、ご遠慮下さい。掲載を見合わせる場合もあります」。また以上の規定に加えて、極端に短いのもや、単なる転載の形態をとっているもの、特定党派の宣伝にしかなっていないもの、何を言いたいのか不明なもの、本サイトの趣旨とはまったく無関係なことを書き連ねているものも、掲載を見合わせています。
つまり、編集部自身の文書の基準と、投稿に関する基準は違っており、、蟹瀬さん(専従)の投稿は後者の基準によって掲載されたものだということです。ところが、9月12日のコメントでは次のように変化しています。
まず、『さざ波通信』の執筆の基準を投稿規定にもあてはめるべきだという意見については、一つの意見としてありうると思います。もちろん、投稿の中に、具体的な支部名や非公然の党員を特定しうる形で党内の事柄に関する具体的な叙述がある場合には、そのような投稿は掲載しないか、あるいは、叙述をぼかすような形で修正して掲載するでしょう。したがって、「党内問題を党外に持ち出さない」という基準は、けっして投稿規定とも無関係ではありません。
この投稿基準は明らかに前回のコメントにおける投稿基準とは異なっています。9月12日の投稿基準に照らせば、当然、蟹瀬さん(専従)の投稿は、少なくても何らかの吟味・説明が必要となってきます。それをすることなく、編集部はなかば無条件に掲載してしまいました。
(2)「党内問題」について
上記のような、編集部の矛盾を繕うために、「党内問題」についての次のような理解に苦しむ説明がされます
問題は、何を「党内問題」とみなすかです。たとえば、不破委員長は、最近、CSニュースター党創立記念講演などで、狛江市長選挙の立候補者の選定をめぐって狛江市の党組織と中央との間で意見の相違があり、激論を交わした末、狛江市党組織の意見を採用したという話を持ち出していますね。これは、党外の人には知ることのできない「「党内問題を党外に持ち出す」ことではないでしょうか?・・・したがって、それを広くとれば、不破委員長をはじめ党幹部の発言の多くの部分や、『しんぶん赤旗』の多くの記事は、規約違反になります。
狛江市の問題について言えば、決着ずみの問題で、そのことが党にとってマイナスになるものでも、党攻撃の材料にされるものでもありません。むしろ、これからの党のあり方を考えるうえで大切な問題を含んでいます。「党内問題を広くとる、狭くとる」ということを前提にした議論は無意味だと思います。編集部はさらに進んで、次のように党中央を非難します。
党中央にとって都合の悪い事実は「党内問題」とみなされそれを公表した党員は処罰され・・・。何が「党内問題」であるかを不明にしたまま、中央にとって、都合の悪いあらゆることに関して一般党員の口を封じるためです。
ふつう考えられる「党内問題」といえば、編集部が言っている「具体的な支部名や非公然の党員が特定されるような具体的な記述」だけではなく、公安や反共の立場からの攻撃の的になるものも当然含まれるでしょうし、組織防衛上必要なものもあるでしょう。また、その時の情勢によっては支部や党機関の方針なども公表されるべきではないでしょう。だいたい、そこまで党中央に対する不信を公表する人間が、どうして党の一員(以下文字化け・・・編集部)
(3) 蟹瀬さん(専従)の投稿に関して
蟹瀬さん(専従)の投稿に書かれている「事実」についていえば、「民青同盟は事件発覚後に2中委を開いたのですが、『被害を受けた方のことを考慮して』との理由で決議などでは、この問題についてはいっさい公表しないことにした」ものであり、実際、決議を含めてどのような形においても公表されていない「党内問題」であります。公表されれば、反共・公安の立場からの攻撃の的になる可能性の高いものでもあります。編集部の9月10日のコメントでは「党内問題ではありません」といっておきながら、12日のコメントでは「党とは無関係という意味ではありません」「もちろん党とも関係しています」「『党内問題』と解釈することは可能でしょう」と変化しています。そして、またも次のような弁解がなされます。
しかしながら、それがはたして規約で言う「党外に持ち出してはならない「党内問題」なのかどうかは、議論のわかれるところです。その不祥事を起こした党員は特定されていないし、特定可能な具体的記述もありません。また、この事件のことは党外に漏らしてはならないという党内通知が各支部に来た事実もありません。
そのような「党内通知」というものがあるのですか? これまで、そういう「党内通知」が実際にあったのですか? もしないのだとしたら、ありもしない「党内通知」を前提にするのはおかしいでしょう?
(4)「党内問題」と人権
12日のコメントに次のような部分があります。
この事件は、民青幹部が誰かの性的人権を侵害したものであると推測されます。周知のように、人権問題は党内問題として隠蔽すべき性質のものでありません。
これを読むと、まるで党や民青が人権問題を隠蔽したかのようですが、そうではないでしょう。蟹瀬さん(専従)の投稿を見る限りでは、党や民青がその事実を公表しなかったのは、「被害を受けた方のことを考慮して」であって、党にとって都合が悪いからということではないでしょう。「隠蔽」という表現を使うなら、党がその被害を受けた方に対して、公表しないように圧力をかけたとかの事実がなければならないでしょう。そういう事実があったのですか? 具体的な状況を知らないで、「人権問題は党内問題として隠蔽すべき問題ではありません」といって、蟹瀬さん(専従)の投稿を掲載するのは、逆に、被害を受けた方の人権をさらに傷つける場合もあるのではないでしょうか?
最後に
今回の蟹瀬さん(専従)の投稿に関して、感じたことを率直に述べます。一つは『さざ波通信』編集部の言い逃れが目立つということ。ただ、「編集部としての反省」もありますので、今後を見守りたいと思います。もう一つは、どうして、蟹瀬さん(専従)はその後、投稿をしないのかということです。専従という立場の方がこのHPに投稿することに関して、私は疑問を持ちますが、蟹瀬さん(専従)はそれなりの信念を持って投稿されたはずです。しかも、その投稿内容が大きな問題を含み、こうやって議論されている状況で、投稿を中断されるのはあまりにも無責任ではないでしょうか。
編集部からのコメント
蟹瀬さんの投稿を掲載するに至った理由について、編集部側の説明が非常に複雑になり、結果として、説明理由が変更されたかのような印象を与えたことを深くお詫びします。ここで改めて確認したいと思いますが、私たち編集部の基本原則は、共産党の真の発展を希求する立場からこのホームページを開設・運営しているということであり、この大局的立場にもとづいて、今後とも、投稿欄を含めてこのサイトを管理・運営していきたいと思っています。「党内問題」の取り扱いについてもこの基本的立場にもとづいて、個々具体的に判断いたします。いずれにしても、基本的に、投稿者がその内容に責任を負うべき投稿の取り扱いについては、あまりに杓子定規な規定をあてはめることは、討論を制約することになるので、以上の基本的立場にもとづきつつも、柔軟に対応したいと思います。