志位書記局長は27日の『しんぶん赤旗』で東ティモール派遣多国籍軍への資金協力を容認した。そこで湾岸戦争の場合との違いを説明し、「平和的な手段を尽くさないで戦争に走ったという点での批判を持っていた」が、今回は違うという説明をしている。
志位氏は今回の態度と、湾岸戦争時の態度の一貫性を強調するが、はたしてそうだろうか。たとえば90年8月の共産党の演説会での不破報告では「(多国籍軍への資金援助は一種の軍事援助であることを認めたうえで)日本としては憲法第9条を持った国として、どんな場合でも非軍事の分野で全力を尽くす」ことが大原則だ、と言っている。この大原則を志位発言は破った。これは憲法改悪に反対する戦線で奮闘している共産党内外の人々の努力に水をかけるものだ。憲法9条の前には「良い軍事援助、悪い軍事援助」などというものはない。こうした「現実主義」への傾斜は共産党をどこに導くのか。過日の不破委員長の「自衛隊一時活用論」といい、今回の発現といい、目に余る。