X世代さんの思われるように、私たちの住んでいる社会というのは、本当に奇妙で不合理な出来事に満ちています。私たちの住んでいる社会は資本主義社会ですよね。資本主義社会というのはいままでのどの社会よりも物を産み出す力の高い社会です。ところが、この高い生産力によってつくり出されたものは、社会の人々をのこらず公平に潤しているわけではありません。
日本の富の大部分は、一部の大資本のもとへ集中し、社会の圧倒的多数を占めるサラリーマン・流動的労働者(パート・アルバイト)に対しては社会の富のごく一部分しか回ってきません(労働者に対しては、「不況」という理由での賃金切り捨て、首切り、残された労働者の過労死。学卒者の就職難が進行しています)。
私たちがいくら一生懸命にはたらいても、健康を害して倒れようものなら、たちまち一家のくらしは破綻するでしょう。これらは資本主義国ならどこでも同じ現象があるのです。例えばアメリカは今、好景気だと言われていますが、失業率は世界でも最も高い部類です。20代の死因に1位・殺人があがっています。好景気の影に、驚くべき社会的貧困が存在しています。
好景気とは一体誰のためのものでしょうか、不景気になると、本当に会社(中小企業除く)は損をするのでしょうか。一方で会社と対立する労働組合がどうして存在するか、お気づきになったことはありますか? また、書かれていたように、どうして右翼は共産党を敵視するのでしょう。
それは、今の社会が階級社会だからです(階級というのは、支配する側と支配される側に分かれます)。支配する側は資本家集団(財界)とその利益を代表する政党(自由民主党など)、支配される側は、労働者階級(圧倒的多数)です。この労働者階級の利益を代表して闘っているのが日本共産党です。
日本は60数年前、中国を相手に侵略戦争をはじめました。戦争というのは、互いの国民同士がいがみあうから起こるものではありません。資本家階級が、労働者を働かせて富を得るとき、個々の資本家同士に競争原理がはたらきます。このとき資本家は労働者からできるだけ多くしぼりとるため、労働強度を上げ、いらない労働者の首を切ります。労働者階級の貧困が増大し、購買力低下が起こり不景気になります(今の日本とよく似ています)。その結果、市場を軍事や他の国に求めるのです。こうして起こるのが戦争です。当時の戦争は、資本家階級(財閥)の要求と、絶対主義的天皇制の国民への精神支配という二重の要因で引き起こされました。国民への精神支配の道具の一つとされたのが、「君が代」です。歌詞は天皇を賛美する内容になっています。…天皇の世がいつまでもつづきますように…というような意味を持った歌です(日本=天皇の国)。しかし、この歌の精神は、戦中戦後、日本共産党をはじめとした人々が命がけで闘い取った日本国憲法の精神(主権在民=国民が主人公)とは相反するものです。ですから日本共産党は「日の丸・君が代」の立法化に反対していたのです。
いま、新聞記事が「わかりにくい、中身がない」と言われますが、事実がどこか外国で起きたことのように取り上げられているのです。いま、日本の政治で何が起こっているのか、国民生活にかかわるどんな重大な法律ができたのか、殆どわからないようになっています。あの侵略戦争に命がけで反対した日本共産党を「国賊・非国民」に仕立て上げたマスコミが、その誤りを完全には清算していないからです。現代でもマスコミが、支配階級の支配の道具として使われています。真実を伝えるのは「しんぶん赤旗」だけです。このことをどうかご理解いただけるようお願いします。