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「北朝鮮問題」討論欄

人民の連帯は国境に縛られることはない>天邪鬼さんへ

2004/3/12 赤根、40代

以下は、2004/3/7付け天邪鬼さんの投稿(一般投稿 欄)に対する意見です。

「真の左翼は北朝鮮の人権をまもる」。何だと。アナーキストが陥りやすい穴にすっ ぽりはまっているに過ぎません。偽の左翼が右翼と結合するのはアナーキズムの歴史 に実証されています。第二革命が朝鮮人民の課題になっているがそれはあくまで南北 朝鮮人民の課題です。私達は自力で日本革命の課題を遂行することによってしか戦争 を防ぐことができないし、朝鮮人民を救うことができないのです。(2004/3/7天邪鬼 氏)

天邪鬼さんはインターナショナリスト=国際主義者を自称しておられたと記憶して います。しかるに上で書かれている内容は国家や民族の違いを理由にして人民(さし あたり日朝人民)の国境を越えた連帯を否定しているように読めます。国家暴力の国 境越えは否定してしかるべきですが、人民連帯の国境越えを否定しては国際主義など 成り立つ余地はないと思います。

「革命はその国の国民の課題であり、他国の革命に口出してはならない」というの が日本共産党の国際路線ですが、これは共産党間の規範として採用されたものに過ぎ ず、党の上に立つべき人民の国際連帯を縛るものではないと思います。仮にこの規範 を理由に人民の国際連帯を否定するのであれば、それは人民の上に党を置く誤りと言 わざるを得ません。

北朝鮮人民の開放を訴える主観的善意に立つ人びとの思想は 日本革命から逃避する ものです。結局日本共産党の革命からの逃避がこのような安っぽい人道主義の副産物 を製造したのです。(2004/3/7 天邪鬼氏)

戦前から1950年代初期まで日本の共産主義者は「プロレタリア国際主義」の名のも とに朝鮮解放を日本革命に従属する課題と捉えてきました。在日朝鮮人の運動は日本 革命に総動員され、戦後も南朝鮮反動政権打倒をスローガンに掲げることすら運動の 統一を乱す偏狭なナショナリズムとして日本の党から批判されたわけです。50年極左 冒険主義の混乱を経て55年の朝鮮総連結成と日本共産党からの朝鮮人党員の総離党は その反動でもありました。金日成による人材確保戦略(帰国事業もその一環)がこれ にうまく波長を合わせたことも無視できません。ここに「革命はその国の人民の課題 であり、他国の革命に口出してはならない」という規範は日本と朝鮮の党の原則とし て採用されたわけですが、その際にかつての「プロレタリア国際主義」(私見では左 翼版大東亜共栄思想)が真剣に総括されたとは思えません。プロレタリア国際主義、 人民の国際連帯のあるべき姿が模索されることなく、党と党による「手打ち」によっ て問題が処理されたというのが実態でしょう。どこか「アジアの戦後処理」に似てい ませんか?

消耗感からここを退去されたがんばれない共産党員さんもご指摘でしたが、当時の 歴史的経緯は日本共産党の党史から抹消されており、その後日本の党と朝鮮の党が対 立・断絶することによって日本の人民は朝鮮人民との国際連帯のパイプを喪失してし まいました。このパイプ喪失状態は一方で「国家暴力(武力や経済封鎖)による朝鮮 人民の解放」に人々が期待を寄せてしまう背景にもなっています。一部の人々による 脱北者や帰国者救援運動などは両国人民の間に打ち込まれたクサビを抜き去り、損な われた連帯の糸口を地道に切り開くものとして私は敬意を持って拝見しております。 できれば何かお役に立ちたいとも思う次第です。

一方、日本共産党は人民連帯のパイプ喪失にA級の歴史的責任があるにも関わらず 動こうとしません。動かぬことによって主観的意図とは別に「国家暴力による武力解 放しかない」という世論を底上げしてしまっているのです。党が動かぬのなら民衆が 動くほかないではありませんか。これは天邪鬼さんがおっしゃるような逃避や安っぽ い人道主義では断じてありません。(2004/3/12 AM11:40記)