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「組織論・運動論」討論欄

4/4付、これに関連する3/13付原さんの投稿に呼応してちょっと

2009/4/18 樹々の緑

    原さん、人文学徒さん、レスありがとうございます。両先輩に比べれば、自らひじょうに非力で勉強不足なことが悔まれます。

 ところで、私がいま関わっている・ごく普通の(取り立てて政治的傾向がない―どちらかと言えば右からやや左までの)勉強サークルにおいて、この3月から4月にかけてどのような会話がなされたかを、一部紹介したいと思います。

 「高速道路料金が土日祝日限定でETC使用車に限り千円に!」という一連の大騒ぎはご存知だろうと思います。
 上記サークルは、政治の勉強会でも何でもないのに、これが話題になり、「民主党の政権ができたら、そもそも高速道路通行料金が無料になるのに、なぜいまあせってETCを付けなければいけないのか。これは、民主党政権への交代を見越して、ETC製造業界が、自公政権の苦肉の策に乗じて在庫一掃セールを打ち出したのではないか」という意見が大勢でした。これは、いわゆる小澤―西松建設企業献金虚偽記載問題が明るみに出た後の話です。周辺部分での動揺はありつつも、普通の民衆の中では、民主党への政権交代はほぼ既定事実になりつつあると感じましたね。

 それが、国民の自己経験の見地から見て、そして、政治の根本的変革の見地から見て、どのように評価されるべきなのか、そうした緻密な分析を欠いているのが、残念ながらいまの党中央の現状ではないかと思います。

 小澤氏の収支報告書虚偽記載問題ですが、もちろん、上記勉強会でも、原さんが言われるのとほぼ同じ意味で「国策捜査である」ということは共通の認識だったように感じました。小澤民主党への幻滅も、もちろん若干ありましたが、その点では、「政治はより少なく悪い方を選択していく過程である」という「生活の知恵」のようなものが、民衆の中に育っているように感じられましたね。
 ただ、理論的論点として「国策捜査」であること=いかがわしい政治的動機に基づいて、形式的に法を適用して過剰なキャンペーンを張っているという企図を論証するのは、「形式的法規範の壁」が厚いだけに、難しいと思います。政治的には明々白々であっても、「この事案は、これほどまでに大々的に強制捜査がなされ、非難されるべき事件ではない」という主張を掲げることは、「違法を見逃すのか!」という極めて「正当な」反批判を考慮すると、逆の意味で政治的に自らの手を縛る結果に繋がるようにも思われます。

 JCPが、自己の政治的願望と法規範との厳密な区別をしないで、一連の批判キャンペーンを張っている、というご趣旨は十分理解できますが、法規範の「解釈」にしてみても、自衛隊の合憲性を巡るものを引くまでもなく、かなり融通無碍なものですから、現在のように、民衆の基本的多数部分が「あれは、自民党がやらせているのだ」という「素朴かつ生活の知恵」の認識でまとまっていると見られる限り、これを「民主主義の危機」として喧伝することには、若干の躊躇を感じるのです。