「民主集中制で党内は、党員は皆同じ考えで、中央委員会が右を向けば全員右を 向く。批判ができない。反対世論を構成できない。などなど、ありますが、いず れも党内の問題です。」
「民主集中制の害毒はどのように党外に伝わっているのかが分からないので す。」
(綾瀬はるきさん)とのこと。
直接の回答になるかどうか判りませんが、私は次のように考えます。
政党とは自らがめざす社会を自らのうちに具現化していると思います。
例えば、自民党はその汚職腐敗体質を、民主党は構成要素の複雑(小泉改革
派、旧来の自民党派から福祉重視派まで)さを「党」に体現しています。
共産党は主観的には、社会主義社会を目指してますから党内の運営方法は、共
産党が国家権力を掌握した場合の社会と二重写しとなります。
「よくよく考えれば恐ろしくもある」社会は、私もご免です。
この恐ろしい社会の実例がゴマンとあり、民主集中制という言葉を知らなくと も、異論を封殺する体制は日本人民の周知の事実です。
「マルクス主義とイワン雷帝とのアマルガム」(ドイッチャー)と言われる暗
黒のスターリン独裁体制が二千万人とも三千万人とも言われる犠牲者を生みだ
し、アジアではマルクス主義でお化粧を施した近代農民反乱(トロッキー)の英
雄毛沢東が文化大革命で二千万人の人々の命を奪いました。
また、北朝鮮では強制収容所に何十万人の人々が飢餓状態で拘束されていま
す。日本人民は、北朝鮮の形容しがたい異様な政権(金氏朝鮮、金王朝、スター
リン型畸形国家を儒教でお化粧を施した奴隷制国家)の対応、実態についての報
道に毎日接しています。
民主集中制(レーニンが編み出した特殊ロシア的な組織論)は、個々の国の下 部構造に規定された古代、中世から連綿と継続する皇帝独裁遺制と容易に結合 し、異論を封殺し、国家権力を掌握した独裁者(スターリン、毛沢東、金日成) により異論を唱える者の肉体的抹殺にまで至ります。
私は、マルクス主義と「民主集中制」は無縁のものであると思っています。こ の「民主集中制」が独裁者と結合、異論を封殺する「宗教的な性格」は、恐ろし い結果を生じさせます。
ロシア革命で成立したレーニン政権はヨーロッパで一番知的水準の高い政権だ
と当時のブルジョアジャーナリズムに評価されています。
中国共産党のなかにも、中国農民の最良の息子と思われる彭徳懐(国防相、朝
鮮戦争中国人民義勇軍総司令)などがいたが、毛沢東に大躍進・人民公社運動の
悲惨な失敗(多数の餓死者が出ていた。)を直言して失脚(1956年)。文革
時、長期間の「査問」にかけられ死亡しています。
共産党内の労働者、農民の最良の息子達の意見は「民主集中制」によりことご
とく封殺、肉体的に抹殺され、異様な独裁者に国家権力が収斂されていきます。
これは残念ながら、20世紀社会主義の事実です。
「民主集中制」(異論封殺体制)は、上記独裁体制確立のための重要な道具、
槓杆として機能したにすぎない。百害あって一利無しの制度です。