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「組織論・運動論」討論欄

党内選挙制度について再論

2001/7/23 サザンクロス、労働者

 私の2000年12月17日付の投稿「党大会と党内選挙制度の実態」が、JCPウォッチで取り上げられ議論になっている。その中で、ottodotto氏の7月21日付の書き込みには、奇妙なことがいくつか書かれているので、実態を知るものとして反駁したい。
 ottodotto氏はまず、私の「すると、日本共産党内部で、党大会代議員に異論派が1名でも選出されるためには、各都道府県委員会の党会議で75%前後の得票を獲得しなければならないことになる。75%前後獲得しないと、1人の異論派党員も党大会代議員になれないのである。これが、わが党の誇る『すべての指導機関は選挙で選ばれる』という『党内民主主義』の原則の実態である」という主張に対して、次のように書いている。

 ここまでの議論は、無意味だと思います。なぜなら、ここでいう必要な得票数に関する条件は、独自候補に対しても推薦候補に対しても同じである訳です。75%前後といえば凄く高いように感じるでしょうが、他の候補も同じだけ必要なのです。それに、こうした制度下では高い率の得票を得るのがとっても簡単なわけですね。

 この人は、「民主主義」という言葉の意味を知っているのだろうか。小選挙区制のような反動的選挙制度においても、自民党も共産党も条件は同じである。だからといって、小選挙区制は非民主的だという主張が「無意味」になるだろうか? 問題は、誰でも条件が同じかどうか、ではなく、その条件が、比例代表的なものなのか、多数派にとって著しく有利なものなのかどうか、である。私が問題にしたのは、わが党内における選挙制度が、小選挙区制よりもはるかに多数派にとって有利な反動的選挙制度であるということである。このことを指摘することがどうして「無意味」なのか? また、ottodotto氏は「こうした制度下では高い率の得票を得るのがとっても簡単なわけですね」と言っているが、多数派に属する候補者にとっては「とっても簡単」だが、少数派にとっては絶対にそうではないということが重要なのだ。その点についてどう考えるのか?
 ottodotto氏はさらに、私の「この100名の候補者がそれぞれどういう候補者であるかは、もちろん、いちいち具体的に説明する時間などないので」という文言を引用して、次のように述べている。

というような条件下では、独自候補と推薦候補の区別すらつかないんでしょうから、ほぼくじ引きと同じになるんじゃないですか?だとしたら当選確立は前候補ほぼ等しく100/101で99%となりますね。当選するのはとっても簡単ですね。違ってたら御指摘ください。

 残念ながら、「独自候補」と「推薦候補」とはしっかり区別されている。いわゆる「推薦候補者」のうち、誰がどういう人であるかはまったくまともな説明はないが、誰が推薦候補者(つまり、上級機関のお墨付きを得ている人)で、誰が独自候補者であるのかは、選挙に先立ってきちんと説明される。私がこれまで代議員として参加した比較的上級の党会議では、いずれも選挙に先立って、選考委員から、「○○○○さんは独自の立候補者です」としっかりマイクで説明されていた。区別されずに選挙されたとは聞いた事がない。これが実態である。「くじ引き」のようなものにするほど、党官僚はお人よしではない。