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「現状分析と対抗戦略」討論欄

原仙作さんの投稿に関連して

2004/06/12 中原 道喜 60代以上

 原仙作さんの投稿はきわめて説得的である。これに関連していくつかの点を指摘したい。

 党員の人々の一般的な習慣として、納得できないことがあっても、「党中央には深い考えがあるのだろう」と考えて疑問を封じてしまうということがある。このような習慣が、党中央の独断専行を助けている。

 しかし、党中央には深い考えなどないことが、あわてて市田防衛のために候補者を削減したことに現れている。

 2001年の参議院選挙の結果を見れば、2004年に改選を迎える市田書記局長の再選は安泰ではないことは明らかであった。書記局 長の議席確保がきわめて重要であるならば(市田が書記局長にふさわしいかどうかはここでは問わない)、拘束名簿方式の衆議院にまわすというの が当然の選択であろう。2003年の衆議院総選挙で、市田を比例代表近畿ブロック1位で立候補させれば、書記局長の議席確保という目標は達成 された。(参議院議員の任期中の立候補であるため、参議院議員を失職することになるが、参議院の議席は比例代表であるため、繰り上げ当選によ って党の議席は維持されるので問題はない。)代わりに吉井英勝が落選した計算になるが、吉井を参議院(大阪府選挙区もしくは比例代表)に立て ればよいのである。

 市田を衆議院にまわしていれば、今年の参議院選挙で市田防衛のために候補者を減らす必要などなかったのである。この程度のことは、政党指導部であるのならば予測して対処できるはずだし、しなければならない。市田を衆議院に回すこともせず、衆議院総選挙の結果が明らかになってからあわてて候補者を減らすような指導部は、無能ということにほかならない。

 他にも、候補者選考には疑問が多々ある。1998年の参議院選挙で、新人の井上美代(新日本婦人の会中央本部会長)を東京都選挙区に立て、衆議院当選4回の岩佐恵美を比例代表に立て、ともに当選した。しかし、井上美代は全国組織の会長であり、明らかに比例向きの人材である。それに対して、岩佐恵美は衆議院で何度も当選し、知名度があり、東京都選挙区にふさわしい人材である。なぜ党中央が、井上を比例に、岩佐を東京都選挙区に立てなかったのか、理解不能であろう。

 今年の参議院選挙では、井上は病気で引退することとなり、東京都選挙区後任の候補者は無名の新人である。なぜ、現職の岩佐恵美を立てないのか謎である。

 このように、党中央は理解しがたい行動を取っているが、これは「深い考え」があってのことではないであろう。党中央への根拠のない信頼はやめなければならない。