2月10日の本サイトのお知らせ欄で知りました。かつてはJCPWはよく見ていたのですが、私が愛読していた未来学者さん、TAMO2さん、コンビーフさん、RONさんなどの書き込みがなくなって、(私にとって)あまりおもしろくなくなったので、ここしばらく見ていませんでした。
さざ波通信投稿者が除籍になったとのことですが、JCPWでは、ご本人が書き込んでいらっしゃるのでハンドルネームをかくす必要はないと思います。今は長い文章を書く時間がなく、まとまったものにはなっていませんがとりあえず投稿します。
最近このサイトを見るようになった方は経過がわかりづらいかもしれませんので、要点だけをかいつまんで紹介しますが、私なりに理解しているだけのことで、正確なことは本サイトの投稿やJCPWの過去ログを参照してください。
かつて党中央が招集した青年学生支部の会議で自衛隊問題について疑義を提起した学生党員=嫌煙家さんが会議での発言の要旨とこれに関する彼の考え方を投稿(第22回党大会特設討論欄10/17付)されました。
この後、10月20日に「しんぶん赤旗」紙上に「さざ波攻撃」の記事が掲載されました。この2つが連動しているものであること、より正確にいえば、嫌煙家さんの「さざ波通信への投稿」に対する党中央の反応が「赤旗」記事であったことを感じたのは、私だけではないでしょう。私は赤旗記事を読んで、彼が「査問」にかけられてはいないかと内心懸念していました。
結局、事態は私が懸念したとおりに推移したようです。嫌煙家さんのJCPWでの書き込みによれば、「調査」の対象となったのは、さざ波への投稿と「党の公式見解ないし中央の方針をもこうしたネットを含めた公共の場で批判することは許されなくてはならないし、むしろ推奨されるべきだ」…①などというJCPWでの書き込みが問題とされたようです。ただ、私見では、後者に関する党機関の見解は本音ではないでしょう。党機関の逆鱗に触れた書き込みは、「党大会討論報へ彼が投稿したものが不採用になった経過とその前文をJCPWに書き込んだこと」だったのでしょう。不採用となった原稿を私も読みましたが、まじめな投稿であって「大会議案とは関係がない」という理由はまず成り立ちません。このことをつつかれれば、党機関は窮地に
立ち、詭弁を弄するよりほかにありません。こういうときには、からめてから攻めるというのも党中央の常套手段です。①については、現在の党内民主主義の実情からすれば肯定されるべきものであると私は思いますが、この見解は「党の方針についていくらか疑問をもっている」党員大衆の大勢からすれば、必ずしも広汎な支持を得られないものです。大勢は「党内問題はまず党内で討論する」という常識的な線に落ち着くでしょうから。
古い話で恐縮ですが、私たちの世代が学生であったころ、いまの学生には想像もできない規模の学生運動がさかんでした。大衆団交といって、小規模の大学でも何百人、大規模な大学では何千人という学生が参加し、おもに自治会執行部が大学当局と渡り合うのですが、このとき、私たち学生運動のリーダーたちが常に考えたのは、「圧倒的多数の学生の共感をどちらが獲得するのか」ということでした。当局をやりこめるということではありません。もちろん、そこには学生の要求の正当性、論理の正当性が存在しなければならないことはいうまでもありません。
嫌煙家さんのさざ波への投稿が「内部問題を持ち出し」にあたるとは思えません。実際、党の最高幹部でも「中央の方針に現地の党が反対したことがあった」などと言うことがあるのですから。さらに、「内部問題」についての見解も示さないで、なぜ除籍などという組織的な解決が可能となるのでしょうか。日本共産党は規約に基づいて運営されるはずですが、その規約の重要な部分が定義もされないで運用されるとすれば、それは法治ではなく人治に等しいでしょう。このような運用を「恣意的な」運用といいます。嫌煙家さんによれば、党機関の「調査」担当者は「規約の解釈はA説、B説が並列するというようなものではない」と言われたとのことですが、ここにも救いがたい傲慢さがあります。「内部問題」の定義すらできないでおいて、「解釈が並列するようなことはない」などとよく言えたものです。これでどうして「党は規約に基づいて運営されている」といえるのでしょうか。
さらに、嫌煙家さんがとがめられた2つ目は、先に述べましたがおそらく党機関の本音は「不掲載となった投稿をJCPWに掲載したこと」だと思います。これはまったくもって不届き至極です。嫌煙家さんの投稿の内容と不掲載の理由を多くの党員が知ったら、ほとんどの党員は納得しないでしょう。上記の②は口実に過ぎないでしょう。②はまったく内部問題とはいえないものであるし、党内民主主義についての彼の見解を述べただけのものです。
結論的には、嫌煙家さんを除籍にする正当な理由も、規約上の合理的な根拠もありません。ただひとつ、規約上の根拠があるとすれば「党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしない。」ということぐらいでしょうが、百歩譲ってこの規定を前提としても、「党の意思決定は、民主的な議論をつくし、最終的には多数決で決める。」などの民主主義的規定と補完しあって運用されるべきものであり、党内民主主義が蹂躙され、形骸化されている現状からすれば、ネット上などで党中央の見解に反する意見を発表することはやむを得ないと私は考えています。一種の抵抗権の運用です。
私は、嫌煙家さんに対する除籍は不当なものであり、党機関はただちに彼に謝罪し、その措置を撤回すべきだと考えています。党中央および京都府委員会のさざ波担当者は、このような意見が党内にあるということをしかるべき部署へお伝えください。
しかし、現実は、党中央が非民主主義的方法で決定した現行規約の、その上さらに「恣意的な運用」によって、理不尽な組織的対処をするものだということがはっきりしました。党内にとどまって、日本共産党の民主主義的改革を志向する同志は、このことを肝に銘じておかなければなりません。そしてまた、党内民主主義を強化しようとする若い一党員を除籍することによって、みずからの党内覇権を守ろうとする党最高幹部の試みは、いまなおその非民主主義的・独善的体質が変わっていないことを天下に明らかにしました。貴重な若い党員を失い、党機関に直言するという一般党員にとってまことに困難で、ほんとうに勇気がいる仕事ができる党員を失ったのです。このことが党最高幹部の意図とは逆の結果を招来することを彼らは理解していないでしょうが、これもまた歴史の弁証法として避けがたいことでしょう。今日でもなお新日和見主義事件の誤った党中央の対応が党に与えた損害を総括できない人たちが、今また同じ過ちを繰り返しています。
党内民主主義に大きな欠陥があるというのはずっと前から考えていたことですが、遅かれ早かれ是正されざるを得ないだろうと、私は比較的に楽観的でした。つまり党が完全に死に体になるよりは変化が先に来るだろうという予測のもとに活動をしていたのですが、自分自身の経験を踏まえた今では、この判断は誤っていたというのが私の結論です。もちろんまだ党のもとで奮闘されている方々をどうこう言うつもりはありませんが…。(「私は除籍されました。」嫌煙家(01/2/10 08:06)さんのJCPW書き込みより)
結果的には、嫌煙家さんのおっしゃる通りというよりありません。いったん始まった傾向は行き着くところまで行かないと止まらないのでしょう。さざ波通信などでいろいろな人からの諫言や提言が出されています。これを「党攻撃」としか受け止めることができない党中央は、もはや行き着くところまで行かなければ止まることができないのかもしれません。完全な「死に体」にならなければ、完全に破産しなければ、進路は変わらないのかもしれません。やむを得ません。
しかし、新日和見主義事件の当事者たちが、重い口を開くのに27年という歳月が必要だったことを思うと、事態が急転回する日はそれほど遠いことではないでしょう。
<嫌煙家さんへ>
私のこの投稿をお読みいただけるかどうかわかりませんが、私はあなたの行動は少しも間違っていないと思います。自分の学生時代を思い出すと、あなたのような行動はできなかったと思います。党の専従を相手にして学生党員が論争するなどということは、私たちの学生時代には考えられない勇気ある行動でした。私はあなたの行動を忘れません。党機関の理不尽な対応があなたを深く傷つけたことはあきらかです。しかし、革命の事業というものは、別に日本共産党のためにやるわけではないし、あるいは、キューバ革命のように共産党以外の人たちがリードして成し遂げた例もあります。「前衛」という言葉を使うとすれば、こういう人々こそが前衛でしょう。
最後に、あなたは、基本的な部分において間違ってはいない、と申し上げておきます。元気で頑張ってください。
さざ波投稿者、読者のみなさん。今回の出来事について、どうか積極的に投稿をしてください。こういう理不尽なことに対しては、その都度、抗議の姿勢を示すことは大切なことだと思います。