以下に99年6月13日、さざ波通信、「現状分析と対抗戦略」討論欄への川上慎一さんの「政府問題を論じるよりも民衆の政治参加を」からの引用をさせていただきます。さざ波サイトがはじまったばかりの頃のものです。
今までの議論を隠さずすべて公開利用できるようにしていただいているさざ波の編集委員の方々に敬意を表したいと思います。
いま、求められることは、どんな政党による組み合わせであろうと、政権に参加することではなく、できる限り多くの民衆を政治に参加させ、飛躍的に民主主義を拡大することでしょう。民衆の政治参加とは、中学校の「公民」では、「選挙」が最も重要であると教えます。それは否定しませんが、それだけではありません。ガイドライン法案が審議されているとき、TBSの筑紫キャスターが「これは99年安保といってもよいできごとだ。しかし、60年安保、70年安保のときと比べて、デモ1つない」と言っていました。デモも集会も学習会も選挙に勝るとも劣らないほど大切です。苦境にあって闘わざるを得ない労働者を初めとする民衆の闘いを組織し、励まし、支援し、圧倒的な人々が政治に参加する情勢を切り開き、これを背景として国会内での院内闘争を展開していくというのが日本共産党の誇るべき伝統です。
若者が政治に無関心なように見えます。しかし、神戸の震災や日本海の重油流出のときにかなりの若者がボランティア活動に参加していた事実を見て、決して若者は政治に無関心ではないと思います。高度経済成長の中で物質的には比較的恵まれて育ったこと、従順な労働者の育成を主目的とする長年の「管理教育」の中で育った人たちだから、闘いに参加する上でそれなりの困難はあるでしょう。しかし、決して若者が政治に無関心であるとは思いません。その時々の政治的、経済的、社会的な課題で闘いを起こし、若者が参加する場を作るべきでしょう。若者の政治参加のためには、この努力こそ継続的に行われなければならないのであって、政党や団体の主体的な都合による一時的なカンパニアで解決されるような課題ではないと思います。
きょう4月2日は残念ながら動けませんが、4月5日には歩きます。