来年の参院選へ、そしてその後の政局へ向けた戦略をどう考えるか?
私は、以下の原仙作さんの論文を全面的に支持します。私が、言いたかったことを論理的に整理して頂いています。
全野党の選挙協力で改憲の発議を封印する(2)(原 仙作) http://www.linkclub.or.jp/~sazan-tu/
とにかく、今は、各野党が独自性を発揮しつつも、選挙区では協力できるところは協力するということが大事です。
野党協力への思いは、私は2001年の暮れ以降強まりました。
私は、共産党の選挙運動で、ある山村へ行っていました。
同和地区をビラ配りしていると、ある年配の女性と対話になりました。私は、当然、共産党への支持を訴えます。女性は、共産党の政策は良いことだ、実績も知っている、といいつつも「他の政党や団体の悪口をわざわざ選挙のときいうのでは、支持できない。選挙には行かない」といわれた。しかし、「共産党を若いあなたが変えてください」と手を握られてしまったのです。私は、あのときのことがいつも思い出されます。
独善的にやっていたのでは駄目だ。各野党が協力すべきは協力しないといけない。思い立ったらすぐ着手するのが私のモットーです。早速、各地の革新他党派の人や無党派の市民運動の人と連携を強めることにしました。
1年間はそれが続きました。一方で、共産党の頑迷な幹部M氏の妨害にも遭いました。「偽左翼と付き合うな」というわけです。
しかし、私は突き進んだ。
それは、2003年3月2日の中央公園での6000人の人文字に一定の貢献をしたと思います。M氏が誤りで私が正しいことが証明されたと考えました。また、それより先の広島市長選では執行部を突き上げ、秋葉市長支持へ傾かせました。選挙戦は大いに奮闘。あのときのM氏の苦々しい顔に、苦笑しました。
しかし、転機が来ます。このままではいかん。改憲阻止のためにも、社民党とは選挙協力を。せめて、社民現職区では候補者を引け、と突き上げたが及ばず。イラクでの悲劇を止めるためにも、与党を過半数割れに追い込まないといけない。そう考え金子哲夫さんを支援。兵庫では土井さん、沖縄では照屋さん、東門さんへの支持をよびかけました。
総選挙は、護憲派の大敗。しかも小泉総理は政権を維持。最悪でした。もっと協力していれば、マスコミも注目してくれたはず。そんな思いがありました。
暮れのイラク派兵反対集会で、公然と選挙協力を呼びかけ。
そのときの、共産党県委員会幹部の険しい顔で私をにらみつけたのが思い起こされます。
イラクへの呉からの派兵については、海上船団に乗っての私としては必死の抗議行動に参加。暴風雨で潜水艦に乗り上げるハプニングも。そして、ますます、野党共闘への思いを強めます。
しかし、それは届かず。3月下旬、江田三郎先生の離党の日付に疲れから眠り込んでいた私の携帯がなります。憲法調査会
広島公聴会での私の発言を聞いたという旧友からです。
「お前の才能は共産党では活かせない!民主党か社民党へ移り、お前の才能を国会で活かせ!日本に社民主義の政治を興せ!」
そう彼は言いました。
私は思い悩んだ。そして、江田先生の命日の5月22日、離党を決行しました。
その2年後の今年5月22日、「社会市民連合」を結成し、江田先生の遺志をつぎ、驀進することを決意したのです。
今ごろになって、私を「偉い人の視点」などと論難する人がいるが的外れです。もし、私がそうであれば、どうして、暴風雨を衝いてまで、海上船団などに参加するでしょうか? どうして、年次休暇を取ってまで三井さんの裁判の傍聴に大阪まで駆けつけるでしょうか? 呆れてしまいます。
江田三郎先生も私と同じ、野党共闘論者です。場合によっては保守とも組むべしと言った。その江田先生は、しかし、中央大学での 安保闘争のとき、国会議員で最後まで残って、警察の放水の中、学生を守り抜いたのです。
私のモデルはまさに、江田三郎先生である。
江田先生も私も、体を張るまで熱心に取り組むからこそ、しかし、大胆な幅広い協力が必要という考えに至った、と思うのです。
(ちなみに亀井さんも、学生時代は原水禁運動で退学させられた同級生のためにハンスト経験あり。)
どっちがどっちという話ではない。共産党の幹部の皆さんは、意外と大事なところで、体を張らずむしろ私のことを「偽左翼と付き合っている」と論難し、一方で、選挙至上主義、党建設至上主義で大衆運動を軽視しつづけてきたように思います。
その総括もせずに、2004年参院選で惨敗し、慌てて「草の根」を強調しだした。全く歯がゆい思いです。
闇雲に「自民も民主も怪しからん」といい、戦略がない。
一方で、組織の構成員への暖かさも行き届いていない。
組織がガタガタになっている。疲労感が広がるばかりだと思います。
そして、「小泉政権を倒してなんになる」と放言する党員。
全くこういうことが、普段の努力を水の泡にしてしまうのです。
反小泉無党派を追い散らすのです。庶民の気持ちを無視しているのは君たちではないか?
江田三郎先生「社会党は“歌”を忘れよ」(諸君、1973年9月号)
「固定した、狭いイデオロギーにたって、革命だ、反独占だと叫んで、抵抗だけ に終始していることこそ、いきいきとした歌を忘れ、誰も耳を傾けようとしない、 ひからびた歌手になり下っているのではないのか。」
「固定した、狭いイデオロギーにたって、自民も民主も怪しからんと叫んで、 一桁議席の維持に終始していることこそ、いきいきとした歌を忘れ、誰も 耳を傾けようとしない、ひからびた歌手になり下がっているのではないか?」
といえると思います。
共産党は”歌”を忘れよ。
小選挙区に供託金没収確実の候補者を乱立させるくらいなら、若者の運動に援助をもっと気前よくせよ。センスあるコマーシャルを流せ。
専従の待遇を改善せよ。そして、大衆運動で、党利党略ではなく汗を流せ。共産主義者は裏方でも良いのだ。保守層の小さな「ヒビ」を
見逃さず、それにつけこむ戦略を立てよ。
私は、山口選挙区で九条の会しゅうなん呼びかけ人でもいらっしゃる民主党公認・戸倉多香子さんの当選に全力を尽くす。(戸倉多香子さんブログ)
共産党のみなさんも屁理屈を言わずに戸倉さんを応援されたらいかがか?
それくらいの英断ができれば、比例区での躍進は間違いなかろう。
小沢さんは、票が欲しいから左よりの人も立てている、という側面はある。
小沢さんが、自民党を出て、政界の新自由主義化を突き進んだのは事実です(散々述べているので、詳細は割愛)。しかし、今のような情勢を利用しない手はないのだ。
けち臭い党利党略を忘れたとき、共産党は評価される。政治を大きく動かすだろう。そんな日を楽しみにしている。