この「雑録」は、日本共産党とその周辺をめぐる動きの中で、短くても論評しておくべきものを取り上げて、批判的に検討するコーナーです。
10月20日付『しんぶん赤旗』は、2面の下のほうの囲み記事で、われわれ『さざ波通信』について、次のようにはじめて正式の見解を掲載した。
「さざ波通信」と称するインターネット上のホームページにおける、党攻撃について
さいきん、インターネットの「さざ波通信」と称するホームページを見た人から、「とても党員の意見とは思えない」「党としての見解を、きちんと公表する必要があるのではないか」などの意見が寄せられています。
この「さざ波通信」なるものは、「現役の日本共産党員によって運営」されていると称していますが、その実態は、日本共産党に敵対する立場に立つものです。今回の日本共産党大会についても、大会議案が発表される前から「決議案はほぼ間違いなく、この間の不破指導部の右傾化路線を全面的に正当化し、その路線のいっそうの推進をうたうものとなる」「すべての良心的党員が、悔いを残さぬよう全力をあげて不破指導部の路線に対する闘いを遂行することを心から訴え」る、とよびかけ、特別の欄までつくっています。
このようなホームページが、日本共産党への攻撃、内部からのかく乱を目的としたものであることは明らかです。日本共産党員がそこに意見を発表することは、たとえ善意からであっても、けっきょく彼らの党攻撃の目的に手を貸すことにならざるをません。
なお、「さざ波通信」はホームページ開設当初から、ニセ「左翼」集団の一つ「日本革命的共産主義者同盟」の発行する新聞に、「多くの方々からのアクセスと参加」をよびかける「投稿」をのせています。
以上が全文であるが、まずもって、私たちは、わが党の不破指導部に対して厳しい批判(攻撃?)をしているのはたしかであるが、共産党全体に対して攻撃をしたことはない。逆に私たちは、不破指導部による変質策動から、わが党を守ろうとしているのである。
さらに、末尾で思わせぶりに「ニセ「左翼」集団の一つ「日本革命的共産主義者同盟」の発行する新聞に、「多くの方々からのアクセスと参加」をよびかける「投稿」をのせています」などと書かれているが、これは読者を迷わす詐術である。ここで名指しされている新聞はおそらく『かけはし』のことを指していると思われるが、私たちは、そこに投稿などしていない。『かけはし』編集部が、インターネット上で発見した私たちのサイトのことを機関紙上で紹介する際に、誤って「投稿」として紹介したというのが事実である。実際、そこで紹介されている文章は、私たちのサイトのトップページにある文章そのままである。私たちは、『かけはし』紙上で、誤った紹介のされ方をしているのを知って、ただちに『かけはし』編集部にメールを出して抗議し、訂正を申し入れている。この申し入れは受け入れられ、後の号で訂正が出されている。
読者になにやら恐ろしげな印象だけを与えることを目的にした末尾のこの文章は、理屈や事実で持って争うとせず、恐怖心を掻き立てることで大衆から切り離そうとする卑劣な手法であり、まさに、支配層がこれまで共産党それ自身に対して繰り返し用いてきた手法とまったく同じであることを、ここで言い添えておく。