『さざ波通信』第34号

 『さざ波通信』の第34号をお届けします。今号は、綱領改定案を分析した論文の「中」です。当初は、「上」「下」でお届けする予定でしたが、あまりにも長文になったため、「上」「中」「下」に分けることにしました。
 すでにトピックスで紹介したように、8中総が開催され、第23回党大会の議案も発表されました。それは、一読して明らかなように、ほとんど綱領改定案の内容の繰り返し、あるいはそのより詳細な展開といった性格のものとなっています。しかも、10の章にタテ割りにされ、前大会以来のこの3年間の情勢の基本的特徴や党の趨勢について何も書かれていません。大会議案については、次号でより詳しく検討する予定です。
 綱領改定案をめぐる公開討論誌はすでに3号まで発行されています。党指導部の基本姿勢を厳しく問うような投稿はすっかり影をひそめ、全体として支持するが部分的にのみ異論を唱えるという投稿がほとんどになっています。これは、トピックスですでに指摘したように、厳しい糾弾を含んだ投稿が「誹謗・中傷」のたぐいとして没にされていることを物語っています。
 さらに、複数投稿を受けつけるような「投稿規程」を発表しておきながら、3号までを見るかぎり、いまだに同一投稿者の複数投稿は掲載されていません。複数投稿を出す党員は、ほとんどすべてが綱領改定案に批判的立場の党員であると思われるので、なんだかんだと理屈をつけて批判的党員の複数投稿を没にするか、掲載を遅らせているのでしょう。これが、国民に開かれた党を自称する政党のやることでしょうか。しかも、討論の対象は、党にとって最も重要なはずの「綱領」なのです。このこと一つ取っただけでも、現在進められている党改革が、党をより民主主義的な方向に向かわせるものではなく、より抑圧的な内部体制を構築し、その万力の力で党全体を改良主義の方向に駆り立てることを目的としているものであることがわかります。
 次号は、10月半ばに発行する予定です。

『さざ波通信』編集部

もくじ

  1. 綱領改定案と日本共産党の歴史的転換(中)

(03/9/23)
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