9月11日の同時多発テロに対する軍事報復の機運がありとあらゆる手段を通じて煽られる中、日本の政府与党およびマスコミも、このドサクサに、これまで国論を二分する大問題であったさまざまな諸問題を一気に片付けようとしている。19日には、政府与党は、テロ事件に対する対応策として7項目に合意し、その中で、米軍による報復攻撃に自衛隊が後方支援すること、情報収集のために自衛隊を派遣することなどを挙げている。これは、憲法9条に真っ向からそむくというだけでなく、安保条約の規定や周辺事態法にさえ反する代物である。さらに、小泉政権は、21日朝、テロへの報復行動に備えるために横須賀基地を出港した米第七艦隊の空母キティホークに海上自衛隊の護衛艦と掃海艇を数隻護衛させた。これは、集団的自衛権の行使につながる史上初めての暴挙である。戦争行為を禁じた憲法は紙くずのごとく破り捨てられ、戦後56年目にして自衛隊はついに戦争に参加しようとしている。(S・T編集部員)