日本共産党の不破議長と志位委員長が連名で10月11日に発表した第二の書簡は、英米によるアフガニスタン空爆という新しい状況に応じて出されたものである。この書簡は、空爆と戦争行為に反対しているとはいえ、その語調はきわめて弱々しく、「糾弾」や「弾劾」にあたる言葉は一つもなく、「大きな危険をはらむもの」といった曖昧な言い方しかされていない。さらに問題なのは、国連を中心とした制裁と「裁き」を主張しているが、その中で、経済制裁などの「非軍事的な制裁」が有効でない場合には(もっとも、この「非軍事的措置」も、現在のアフガニスタンの惨状からすれば、単純に肯定することは許されない)、国連を中心として「軍事的措置」を「とることもありうる」と述べていることである。この「軍事的措置」とは何か? その主体となるのはいったいどこの国の軍隊なのか? それがもたらす結果は、やはり民間人の死傷者と大量の餓死者ではないとどうして保障できるのか? また、憲法9条を擁護している政党が、「国連」を錦の御旗にしていれば、世界で最も貧しい国に対する「軍事的措置」を容認してもよいのか? それはまさに「戦争と軍事力による紛争解決」ではないのか? 今回の新書簡は、またしても、現在の党指導部の右傾化と堕落を顕著に示すものとなっている。(S・T編集部員)