テロ・報復戦争・戦争協力問題トピックス

(01.10.16)日本共産党が憲法違反の海上保安庁法「改正」案に賛成

 16日付「時事通信」「読売オンライン」などが報じるところによると、日本共産党は16日の衆院テロ防止特別委員会で海上保安庁法「改正」案に賛成した。この海保法「改正」案とは、海上保安官の武器使用基準を大幅に改変するものであり、不審船などの領海侵犯に対して、海上保安官による船体の射撃を可能とさせるものである。賛成した理由について、志位委員長は「日本への主権侵害に対応するのは海上保安庁だ。その機能を充実させることは必要だ」と述べた。
 「改正」案による武器使用基準の内容とは、志位委員長が語るような「対応」とか「機能の充実」といったあいまいなものではない。認められたのは、相手の船体を射撃するという明白な戦闘行為であり、威嚇射撃・警告射撃といった水準ですらないのである。これは「武力による威嚇」と「武力の行使」を永久に放棄した日本国憲法を何重にも踏みにじるものであり、日本共産党自身が「しんぶん赤旗」紙面のなかで、この法案を、「海上保安庁法『改正』案」とわざわざカギ括弧をつけて表記し、その不当性を示唆してきたものなのである。
 日本共産党は綱領の「当面実現をめざす目標」において「憲法の平和的民主的諸条項の完全実施を要求してたたかう」党である。私たちの指導部は、綱領路線を裏切り、数十万の真面目な党員たちを裏切り、人民を裏切り、憲法も裏切ったのである。いまや我が党は、もはや懸念でも危惧でもなく文字通り完全な右転落の道を突き進んでいる。ほかでもない私たち一人一人の党員が声をあげ、指導部の暴走に歯止めをかける以外には誰も止めることはできないのである。いま党員としての主体性をもった判断を行ない、意思表明を行なうことが、私たち党員の責務ではないだろうか。(K・M編集部員)

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