26日付「朝日新聞」に、「テロは世界を変えたか」と題して、日本共産党の不破議長へのインタビューが掲載された。
このインタビューにおいて、不破議長は、国連による「軍事的措置もありうる」というこの間の新主張をさらに展開するとともに、共産党の議長としてはおよそ不適切ないくつかの不規則発言を行なっている。
インタビューでは、「国連憲章42条による軍事制裁もやむを得ない」ことの理由として、「国連による軍事行動は、警察行動です。国際社会が道理を尽くして推し進める行動」だと説明している。この間、共産党指導部は、「警察」という用語を使うことで、あたかも軍事的性格が免罪ないし軽減されるかのように示唆する姿勢をとっているが、これこそ「白馬は馬に非ず」式の詭弁であり、国連憲章42条そのものが「空軍、海軍、陸軍の行動をとることができる」と記しているとおりである。
不規則発言もひどい。日本の非軍事的貢献の説明のなかで、「だいたい『武力行使』しないとい建前の自衛隊が戦争の役にたちますか。一緒に戦線を組んでも、兵器を使えない部隊なんて、邪魔で邪魔で…」と述べたり、安保体制に関して「世界が緊張すると日本の影はうすくなる。アメリカの行動に賛成する場合でもこうだから賛成するという独自外交をしないと」と述べている。このような発言は、本人が意識しているしないに関わらず、改憲勢力や右翼的世論とクロスリンクするものであり、共産党議長が述べた発言とすれば不適切である。
憲法9条を擁護する闘いがもっとも重要な局面で、軍事力に基づく世界秩序を本格的に容認しようとする我が党指導部の立場とは、果たして社会進歩・社会発展に沿ったものといえるだろうか?(K・M編集部員)