日朝首脳会談および拉致問題に関するトピックス

(02.9.2)小泉の北朝鮮訪問を志位委員長が大歓迎
 新聞の報道によると、共産党の志位委員長は、小泉首相が突如発表した北朝鮮訪問の企図について、「両国政府の最高責任者の直接対話という決断は重要な意義があり、歓迎したい」と評価し、そのうえで「諸懸案を包括的に解決を図る方式は賢明な進め方。何もかも1回の首脳会談で解決しなければならないことではない」と述べ、さらには「小泉首相とはさまざまな問題で対立してきたが、この問題では国の利益、平和と安全を考え、必要な協力を惜しまない」と強調したそうである。帝国主義的資本主義政府である小泉政権の外交に対してここまで露骨な歓迎姿勢を示し、「協力を惜しまない」と公言することは、きわめて安直で危険なことであり、小泉外交に信任を与えることを意味する。小泉首相は今回の北朝鮮訪問の目的をまったく曖昧にしか語っておらず、その真の意図は今のところ不明である。いずれにせよ、現在すでに明らかなのは、小泉政権が一方では、有事立法の策動をあいかわらず進めており、次期国会にも制定させようと考えていることである。この有事立法がアメリカの軍事戦略と密接に結びついており、その主たる標的の一つがイラクと並んで北朝鮮であることは誰もがよく知っている。一方で武器を振りかざしながら、他方で「対話」を行なうのは、資本主義外交のごく普通のあり方である。一方は他方を前提としている。不破=志位指導部はこれまで日本外交を批判する常套文句として、「戦争の手段だけを追求している」という批判を繰り返してきた。そうした批判の水準からすれば、今回の動きはもろ手を挙げて歓迎すべきことなのだろう。だが、あからさまに「軍事的」な手段も、一見したところ「平和的」な手段も、同じ帝国主義的目標を追求するワンセットの武器の一つにすぎないのである。(S・T編集部員)

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