<投稿論文>八十歳を迎えた日本共産党・指導部の混迷

おわりに

 ソ連崩壊は、党中央指導部が「巨悪の崩壊」と言おうが、「ソ連は社会主義とは無縁」と言おうが、現在日本共産党は、現行綱領確定後、最大の逆風にさらされている。その意味では、私は党の各種選挙での後退はある程度は避けがたいものがあったかもしれないと思う。しかし、これに輪をかけたのは、本稿で冒頭にあげた「無原則な議会主義への転落」であったと思う。私はここに「八〇歳を迎えた日本共産党・指導部」の政治的破綻をみる。
 また、党中央指導部は、この逆風に直面して「ソ連社会主義の歴史的総括を行い、否定すべきもの、擁護すべきものを明らかにし、社会主義の理論、思想を再構築する」ことによって闘い抜く道という選択肢を放棄し、世の大勢に迎合し右傾化することによってかわそうとした。いわば理論的破綻である。
 今日の日本共産党は良くも悪くも「計画的な党勢拡大路線」によって出来上がった党である。日本共産党が直面する組織的な衰退は、その組織路線の破綻であり、実践活動の破綻である。
 党中央が進める路線の破綻が、政治的にも実践的にも、これほど明確になった時期はかつてない。先日の六中総では、はたせるかな、また満場一致であった。日本共産党の革命的強化、変革のエネルギーはもはや党中央指導部には残っていないのかもしれない。しかし、全党的にみればなおその可能性はあると私は思っている。

*この投稿を書き始めたのは、さざ波通信第30号がアップされたころでした。まとまった時間がつくれず、書き終えるまでにたいへん長い時間がかかってしまいました。この事情で、文中の表現に少しズレがでたところがありますが、文意に影響はないので、あえて手直しをしませんでした。お許し下さい。

2003.5.30 (川上通信員)

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