『さざ波通信』第32号

 『さざ波通信』の第32号をお届けします。
 今回は1本のメイン論文と1本の通信員による投稿論文、2本の雑録論文で構成されています。1本目は、この間連続して掲載している「不破史観の確立と発展――『日本共産党の80年』の批判的検討」の(下)です。この論文の検討時期は、『70年史』の範囲(1992年)で終わっています。それ以降の時期に関する『80年史』の検討については、別稿で行なう予定です。また投稿論文は、『80年史』を概観しつつ、そこに現れている指導部の混迷を指摘しています。
 雑録論文は2本です。1本目は、先日行なわれた第6回中央委員会総会の志位報告におけるイラク問題についての批判的検討です。イラク戦争をめぐって、志位報告が、国連の役割を過大評価し、フランス、ロシアなどの政府や国連憲章を美化していることを厳しく批判しています。
 雑録論文の2本目は、同じ6中総で提案された党綱領改定の日程について検討したものです。党綱領の全面的改定が予想されているにもかかわらず、まったく小さく扱われ、ほとんど情報もないことなど、党綱領をないがしろにしている党指導部の姿勢を批判しています。
 次号は、6月に開催が予定されている7中総で提案される党綱領改定案が中心になるでしょう。それに合わせて、投稿欄でも特別討論欄をもうける予定です。

『さざ波通信』編集部

もくじ

  1. 不破史観の確立と発展――『日本共産党の80年』の批判的検討(下)
    1. 1980年代前半(1)――第16回党大会と社会主義論
    2. 1980年代前半(2)――「一国一前衛党」論
    3. 1980年代後半(1)――第17回党大会と天皇問題
    4. 1980年代後半(2)――チャウシェスクとルーマニア問題
    5. 1980年代後半(3)――ペレストロイカと「新しい思考」(1)
    6. 1980年代後半(4)――ペレストロイカと「新しい思考」(2)
    7. 1990年代初頭(1)――東欧革命と第19回党大会
    8. 1990年代初頭(2)――ソ連共産党の解体

  2. <投稿論文>八十歳を迎えた日本共産党・指導部の混迷(川上通信員)
    1. 無原則な議会主義への転落
    2. 「ソ連の存在と崩壊」がもたらした理論的混迷
    3. 破綻した「計画的な党勢拡大路線」
    4. おわりに

  3. 雑録
    1. <雑録―1>国連の無力さを隠蔽し、国連憲章を美化する志位報告
    2. <雑録―2>ついに党綱領の全面改定に着手する党指導部

(03/5/31発行)
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