筆坂セクハラ事件をめぐるトピックス(再録)

 以下の一連の記事は、筆坂セクハラ事件に関するトピックスでの論評を再録したものです。

(03.7.5)共産党指導部の迷走――自宅外禁酒規定は「勘違い」?
 志位委員長は、4日午前、国会内で記者会見し、筆坂秀世前参院議員のセクハラ問題を受けた「対策」として、2日の記者会見で言及した党本部職員の自宅外飲酒を原則として禁止した「内規」を徹底するとしたことについて、「(原則禁止という)発言は勘違いだった。党の立場に誤解を与える発言をした」として撤回する考えを示した。志位委員長は、規定が「外での飲酒は羽目を外さないようできるだけ慎み、節度を持つ」といった趣旨であるとし、「内部規定というより、自主的な申し合わせであり、私が言った原則禁止と取られるのは事実と合わない」と釈明した。
 だが、このような釈明はいかにも苦しい。「内規」の存在は党員には以前からよく知られていた事実であり、それを「自主的な申し合わせ」と言い換えるのは詭弁でしかない。だいたい、100人以上もいる本部職員全員が(しかもその顔ぶれも毎年変化するであろう)「自主的に」申し合わせをする、などという説明がリアリティを持つと本気で思っているのだろうか。形式がどうあれ、上からの命令として通用していた事実に変わりあるまい。
 また、今回の問題を「飲酒の問題」として理解したというより本質的な問題点については、何ら釈明されていない。的外れな「対策」を発表し、さらにそのわずか2日後には、同じく的外れな「撤回」を行なうことで、この問題における共産党の無理解さを改めてさらけ出しただけである。(S・T編集部員)

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