発行が大幅に遅れましたが、『さざ波通信』の第12号をお送りします。本号のメイン論文は、元赤旗特派員の萩原遼氏がつい最近出版した文春文庫の『朝鮮と私 旅のノート』の批判的検討です。この著作は、萩原氏が以前にかもがわ出版から出した著作を文庫化したものですが、今回、文庫化するにあたって、萩原氏は、特別に書き下ろしの章(第5章)を加筆しています。その中で萩原氏は、自らの経験を踏まえた、かなり大胆な共産党批判を試みています。そこで、この批判を取り上げ、その積極面と消極面の両方を詳しく分析しました。
雑録論文は4つで、いずれも総選挙関連になっています。最初の3本は、当面する総選挙では民主党との連立政権を目標に掲げないことが発表された5月16日以前に書かれていますので、基本的に、暫定連合政権構想に対する批判を含んだ形で、選挙方針や選挙向けパンフに対する批判がなされています。最後の1本は、民主党との連立政権樹立の目標が一時撤回されたことを取り上げて、その意味を論じたものです。
なお次号は、来月の半ばごろに発行予定です。