西村防衛次官の暴言と日本共産党の課題

もくじ

  1. 右翼国家主義者、西村真悟の正体
  2. 攻撃的、軍事的帝国主義者の本音
  3. 核武装発言の意味
  4. 西村の性差別的暴言の本質
  5. 『週刊新潮』での開き直りと言い訳
  6. 自自公の誤算と共産党の誤算

右翼国家主義者、西村真悟の正体

 すでにマスコミ等で話題になったように、防衛政務次官(政務次官は、政府委員の廃止にともなって新たに設置されたもので、大臣に代わって答弁に立つきわめて重大な役職)であった西村真悟自由党議員は、11月2日付『週刊プレイボーイ』のインタビューにおいて、「核武装」発言や「強姦」発言をはじめとする、いくつもの重大な暴言を繰り返し、世論の指弾を浴びて政務次官の辞任を余儀なくされた。だが、西村の辞任理由は、あくまでも防衛行政の職務遂行に支障をきたすというものであって、自らの暴言についていかなる反省も行なっていない。それどころか、11月4日付『週刊新潮』において、自らの発言について開き直るとともに、見苦しい言い訳をしている。
 西村真悟が、国会議員の中で特別に右翼的、国家主義的、好戦的傾向の強い議員であることは有名であった。西村自身が『週刊プレイボーイ』誌のインタビューで自慢しているように、1997年に自ら船を調達して尖閣諸島(釣魚台)に乗り込み、「日の丸」を掲げて気勢を上げた。また国会においても、「兵役の義務があるのが近代国家の姿」、「防衛に専守もへっちゃくれもない。……朝鮮半島のミサイル基地を破壊することのできる装備が必要」などと発言してきた。あるいはまた、98年6月号の『正論』では、「軍隊とは天皇の軍隊であり、天皇という皇位を守ること」と述べている。
 つまり、西村は、自他ともに認める極端な右翼天皇主義者・軍国主義者であり、攻撃的帝国主義の最も露骨な代弁者なのである。その西村を、小沢一郎自由党党首の推薦のもと、小淵首相があえて防衛次官という重大な職務につけたのは、けっして偶然ではない。それは、この間のガイドライン法、国旗・国歌法、盗聴法、住民台帳基本法、中央省庁改革法、地方分権一括法などの国家主義的・帝国主義的諸法が次々と成立したのを受けて、より大胆かつ露骨に、日本の帝国主義化に向けた体制構築を進めるためである。それは、国民世論に対する重大な挑戦であり、またその世論の反発を徹底的にみくびったものである。
 あいつぐ勝利に浮かれ、公明党を取りこむことで国会内の絶対多数を確保することに成功した支配層は、かつてなく大胆かつ不遜になっている。
 その浮かれようは、まさに『週刊プレイボーイ』の西村インタビューにはっきりと示されている。もう少し如才のない保守政治家ならば、慎重に避けたであろうような言い回しを平気で連発し、右翼保守派の本音を、誰にでもわかりやすい形で吐露している。そこでは、実に明瞭な国家主義的主張と、きわめて露骨な性差別的主張とが渾然一体となっている。とりわけ、インタビューの舞台が『週刊プレイボーイ』という準ポルノ雑誌であったことは、西村の道徳的抑制を取り払ったようで、その性差別主義の側面をより明瞭な形で示すものとなっている。
 以下に、西村発言の問題点について具体的にみていこう。

←前のページ もくじ 次のページ→

このページの先頭へ