大阪府知事選挙の教訓

 前代未聞の現職知事によるセクハラ事件による辞任にともなう大阪府知事選挙は、2月6日に投開票され、自民・自由・公明・民主らが推す太田房江候補が、共産推薦の鯵坂真候補に36万票の差をつけて当選しました。横山ノック知事の辞任へいたる過程や、自民分裂の三つどもえ選挙となった経緯などからして、わが党を中心とする革新陣営は文字通り「必勝の決意」で選挙戦に臨みました。
 相手陣営もあいついで中央幹部らが来阪し、反共攻撃にねらいをしぼった大合唱、大宣伝がつづけられました。オール与党陣営は、危機感を明確にもって、本格的な底力を発揮しました。印刷製本費だけで1億円は下らないといわれる「豪華」反共ビラは、デザインも洗練され、200万枚もの枚数が一夜のうちに全戸配布されました。公明党は自前の選挙と同じあつかいで内部を引き締め、当日はタクシー部隊を組織して、地域ぐるみの投票動員を行ないました。
 総選挙への影響が必至の選挙として、各社マスコミも注目し、当日も速報態勢で開票の様子が見守られましたが、予想よりもやや早く、残念な結果が出されることとなりました。今回のように、「革新の大義」がかつてなく存在する選挙で、革新知事を誕生させられなかったという点では、非常に残念な結果でした。
 本稿では、今回のセクハラ事件に端を発した辞任劇から知事選での闘いとその結果を踏まえ、短期間ながらも全力で奮闘した党員・後援会員の闘いを振り返りながら、簡単な総括と今後の革新勢力の課題を検討したいと思います。

『さざ波通信』編集部

もくじ

  1. 今回の得票数・得票率をどうみるか
  2. 今回の知事選挙の特殊性
  3. 女性の人権と府民共闘の視点は十分だったか
  4. 無原則的妥協と運動の官僚的性格

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