お待たせしました。『さざ波通信』の第13号をお届けします。
本号のメイン論文は、「右傾化と堕落に限界はないのか?――不破指導部の自衛隊活用論の犯罪性」と「日本共産党の総選挙政策の批判的検討」の2本です。前者は、6月6日付『朝日新聞』の記事と、それについて弁明と正当化を行なった6月13日付『しんぶん赤旗』の記事を詳細に検討し、「有事の際の自衛隊の活用」を肯定した不破委員長の発言の犯罪性を厳しく批判したものです。2本目は、5月30日に党中央委員会名で発表された「政策と訴え」を批判的に検討したものです。
雑録論文は6本です。1本目は、この間の消費税減税をめぐる党指導部の態度変更を批判した論文、2本目は、最近、共産党のホームページからいくつかの重大な記事が削除されたことを取り上げ、その削除の政治的意図について検討した論文です。3本目は、7党首討論会での不破発言を取り上げ、4本目は、前総理の小淵恵三が死去した際の不破委員長の弔意、および、合同葬に党幹部が参加した問題について取り上げています。5本目は、『朝日新聞』に最近掲載された後房雄教授の記事を取り上げて、その問題点を指摘した論文、6本目は、ヒロヒトの妻(「皇太后」)の死去に際して不破委員長が弔意を表明したことを取り上げ、批判した論文です。
前号の『さざ波通信』を出してからの1ヶ月間に、不破指導部の右傾化はいちじるしく強まり、多くの点でかつてない新しい段階に立ち入りました。それゆえ、『さざ波通信』での批判の姿勢も、以前よりはるかに強いものになっています。総選挙前という情勢を持ち出して、そのような批判をするべきではないという主張も一部に見られますが、真実を隠した上で国民の支持を得ようとするのは、有権者を愚弄するものです。苦い真実を真摯に受けとめてこそ、本当の信頼を勝ちとることができるのです。
次号は、総選挙の結果について、またその結果しだいでは真に本格化する政権論議をめぐって論じる予定です。情勢の緊迫度に応じて、号外を出すか、あるいは発行を早める予定です。