今回の「4党合意案」をめぐる国労執行部の暴走と共産党の果たした役割については、すでに『さざ波通信』第14号で詳細に論じた。その後、『しんぶん赤旗』は、昨年の8月19日付と20日付の解説記事で、「4党合意案」の不当性を論じ、それが国鉄問題の解決にはつながらないことを示唆した。この解説記事は、党中央が、下からの圧力に押されて出したものだが、しかしそれは何の実効性も持たないアリバイ記事でしかないことが明らかになった。国労執行部の党員グループはあいかわらず、「4党合意案」を国労全体に受け入れさせるためにあの手この手を使い、ついには、今年の1月27日に開かれた国労続開大会において、機動隊・警官・公安数百名に守られながら、「4党合意案」受け入れの執行部方針を強行採決した。
『しんぶん赤旗』は翌日、この大会の強権性、戒厳状態について一言も言及することなく、「ILO勧告に沿い早期解決を―『公正な補償』政府に求める国労が続開大会で運動方針」という記事を載せ、この間の経過を含めて、国労執行部の方針を事実上是認した。
さらに、2月2日付『しんぶん赤旗』は、「JR採用差別問題と国労大会」という第二弾の「解説記事」を掲載し、その中で、国労執行部の方針を積極的に容認する公式見解を打ち出した。この解説記事についてはすでに、『さざ波通信』の2月3日付トピックスが取り上げて簡単に批判しているが、本稿では、この解説記事に対するより詳しい批判をしつつ、現在の党指導部の路線全体との関連を問題にしたい。