雑誌『経済』の2001年2月号と3月号に、上田耕一郎副委員長の論文「21世紀を『平和の世紀』に――日本共産党第22回大会決議に寄せて」が掲載されている。これは、副題に示されているように、昨年のわが党の第22回大会決議における自衛隊政策を解説し正当化することを目的としたものである。
本稿では、この論文を取り上げて、そのいくつかのポイントとなる主張を吟味するとともに、大会決議の正当化にそれが成功しているかどうかを批判的に検証する。なお、本稿執筆時点では、この論文を拡充した上田氏の最新著作『戦争・憲法と常備軍』を入手していないので、この著作についてはいずれ別途検討することとしたい。