未来は青年のものであり、青年はいつの時代でも社会全体の変化の最も敏感なバロメーターであった。とりわけ、現実世界を批判的に認識しその変革を志す、未来志向の政党にとって、青年の動向ほど重要なものはないし、何よりもその支持と担い手を青年に求めてきた。その政党の政治的生命力は何よりも、青年を惹きつけるその力によってはかられる。
しかしながら現在、日本共産党は、未来を担う青年活動家の比率が著しく落ち込み、党創立以来はじめてともいえる極端な先細り状態に陥っている。この傾向は80年代後半から顕著となり、党として青年分野を「広大な空白」と位置づけ、機関を含めた対策・援助を進めてきているが、事態はなお深刻化しつつある。
とりわけ日本民主青年同盟(以下、民青同盟)は、党にとって大衆運動の主軸的存在であり、「目的と規約」に「日本共産党からの導きを自主的・積極的に受ける」ことを明言している唯一の大衆組織であるが、この民青同盟が90年代に入り、一気にその陣地を失った。それは、形ばかりであった多くの同盟員を整理したことも大いにあずかっているが、それと同時に、新しく青年を獲得することが非常に困難になっていることも大きな要因になっている。こうした現状が党の「広大な空白」と切っても切り離せない関係にあることは、言うまでもない。
本稿では、昨年11月に開催された民青同盟第27回大会の決議・報告・結語を具体的に検討しながら、民青同盟の現状と共産党の課題について考えていきたい。