危機に瀕する憲法と対抗軸の模索

 史上最悪の国会の終了後、自民党と民主党があいついで党首選挙を行ない、周知のように、自民党は小渕恵三が圧倒的大差で再選を果たし、民主党は改憲派の鳩山由紀夫が菅直人に代わって新しい代表に選ばれました。そして、この間、自由党党首の小沢一郎が『文芸春秋』9月号に改憲論を発表し、同誌の翌10月号には今度は、民主党の鳩山が独自の改憲論を発表しています。
 また、先の国会で違憲立法である新ガイドライン関連法や盗聴法が強行採決され、憲法調査会が圧倒的多数で可決されたのにつづいて、次期国会では、新しい自自公内閣のもと、有事立法の策定、PKF(国連平和維持軍)の凍結解除、多国籍軍への後方支援、国連軍への参加、等々がもくろまれており、さらに比例定数削減によって、より改憲を容易にする選挙制度改悪が目指されています。
 今や憲法は、戦後50数年間で最も危機的な時期に入りつつあると言えるのではないでしょうか。
 こうした情勢の動きについてH・T氏にお話をうかがいました。

『さざ波通信』編集部

もくじ

  1. 自民党総裁選の意味
  2. 景気回復と財政再建
  3. 民主党の代表選挙
  4. 小沢の改憲論(1)――9条の改悪
  5. 小沢の改憲論(2)――帝国主義的国家体制の構築
  6. 小沢の改憲論(3)――参議院の貴族院化
  7. 小沢の改憲論(4)――独立性なき憲法裁判所
  8. 小沢の改憲論(5)――憲法改正を容易に
  9. 鳩山の改憲論(1)――その全体的性格
  10. 鳩山の改憲論(2)――9条の改憲
  11. 鳩山の改憲論(3)――アメリカからの相対的自立
  12. 鳩山の改憲論(4)――国家と基本的人権
  13. 鳩山の改憲論(5)――参議院の改革
  14. 鳩山の改憲論(6)――首相公選制
  15. 対抗軸の模索

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