岐路に立つ日本共産党
 ――第22回党大会をふりかえって

 歴史的な第22回党大会が11月24日に終了した。大会決議案は一部修正されたものの、自衛隊を活用するというその核心部分には何ら変更が加えられなかった。また、党員の権利を多数削減した規約改定案は、ほとんど修正されずに、そのまま採択にかけられた。採択において、決議案のほうは、大会で決議案に対する批判意見を述べた東京選出の代議員が保留に挙げた以外は全員一致で採択、規約改定案にいたっては、一人の保留も反対もなしに満場一致で採択された。
 党指導部は、この大会の結果に安堵しているようだが、それはまったく無邪気な見解である。このような結果は、実際は二重の意味で共産党にとって著しいマイナスになるであろう。まず第一に、そこで採択された決定そのものが革新的有権者の共産党への幻滅をもたらし、共産党に痛いしっぺ返しを与えるだろう。第二に、このような重大な路線転換方針が、わずか1名の保留(規約改定案は満場一致)で採択されたことは、共産党という政党への体質に対する不信感をいっそう強めることになった。ほとんど満場一致でいくらでも路線転換できる政党に、いったい誰が真面目な信頼を寄せるだろうか?
 大きな路線転換をともなった決議案、党員大衆の権利を無残に剥奪する規約全面改定案、こうした重大な議案が提出されている大会において、討論と称しながら、決議案礼賛か活動報告に終始する代議員たち、(笑い)と(拍手)だけが異様にこだまする会場、そして、保留1名を除いての相もかわらぬ満場一致の採択儀式――いずれをとっても、全体主義の政治ショーでしかない。このようなことを今なおやっているのは、日本では日本共産党だけであるし、世界の共産党、労働者党の中でも北朝鮮など一部の政権政党を除いて、存在しないのではないだろうか?
 今回の決議案、規約改定案に対する逐条的批判はすでに、前号の『さざ波通信』で行なっており、核心部分の変更はないので、今号では、主として決議案に関する志位報告および規約改定案に関する不破報告および不破結語、そして採択された大会決議の部分的な修正個所について、批判的検討を行ないたい。

『さざ波通信』編集部

目  次

  1. 志位報告と決議の検討
  2. 不破報告と不破結語の検討

  3. 岐路に立つ共産党――異論派党員は何をなすべきか

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