革新運動の大義を裏切った決議案

はじめに

 今回の決議案が、「自衛隊の活用」をはじめて正式に表明したことは、マスコミ等の報道で大々的に取り上げられ、多くの党員にも知られるようになりました。しかし、今回の決議案は、自衛隊問題に限定しても、それにとどまらない問題性を持っており、しかも、党指導部は、このマスコミ報道を誤解だと否定して、党員向けには、党の自衛隊政策が本質的に何も変わっていないかのような詭弁を弄しています。そのような詭弁を反駁するとともに、今回の決議案が、戦後面々と続いてきた戦後民主主義運動と革新の大義とをあからさまに裏切るものであることを、はっきりと明らかにする必要があります。
 私たちはこの論文において、多角的に今回の自衛隊政策を検討し、批判したいと思います。それと同時に、今回の決議案に含まれているその他の問題点についても、いくつかの点から指摘しておきたいと思います。こちらの方は、すでに私たちがこれまでの『さざ波通信』の諸論稿で述べてきたことが、この決議案にもおおむねあてはまりますが、いくつかの点に関しては、繰り返しをいとわず、問題点を指摘しておきたいと思います。

『さざ波通信』編集部

もくじ

  1. 第1章と第4章の検討
  2. 第2章「日本社会と日本共産党」の検討
  3. 決議案における自衛隊政策の犯罪性(1)
  4. 決議案における自衛隊政策の犯罪性(2)
    ――朝日新聞の予言

  5. 決議案における自衛隊政策の犯罪性(3)
    ――過渡的段階としての21回大会決議

  6. 決議案における自衛隊政策の犯罪性(4)
    ――共産党の3段階論と社会党の3段階論

  7. 決議案における自衛隊政策の犯罪性(5)
    ――自衛隊の半永久的存続論

  8. 決議案における自衛隊政策の犯罪性(6)
    ――規約を蹂躙する不破委員長と『赤旗』

  9. 決議案における自衛隊政策の犯罪性(7)
    ――安保と自衛隊活用論

  10. 決議案における自衛隊政策の犯罪性(8)
    ――階級的観点と憲法的観点

  11. 決議案における自衛隊政策の犯罪性(9)
    ――自衛隊活用論の意味するもの

  12. 決議案における天皇政策
  13. 総括されていない諸問題
  14. 第5章と第6章の検討
  15. 第7章と第8章の検討
  16. 党員は何をなすべきか

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