今回の決議案が、「自衛隊の活用」をはじめて正式に表明したことは、マスコミ等の報道で大々的に取り上げられ、多くの党員にも知られるようになりました。しかし、今回の決議案は、自衛隊問題に限定しても、それにとどまらない問題性を持っており、しかも、党指導部は、このマスコミ報道を誤解だと否定して、党員向けには、党の自衛隊政策が本質的に何も変わっていないかのような詭弁を弄しています。そのような詭弁を反駁するとともに、今回の決議案が、戦後面々と続いてきた戦後民主主義運動と革新の大義とをあからさまに裏切るものであることを、はっきりと明らかにする必要があります。
私たちはこの論文において、多角的に今回の自衛隊政策を検討し、批判したいと思います。それと同時に、今回の決議案に含まれているその他の問題点についても、いくつかの点から指摘しておきたいと思います。こちらの方は、すでに私たちがこれまでの『さざ波通信』の諸論稿で述べてきたことが、この決議案にもおおむねあてはまりますが、いくつかの点に関しては、繰り返しをいとわず、問題点を指摘しておきたいと思います。